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夏至後夏・路樹下歩・嘆四端缺・詩源・讀韓籍

夏至後夏


●●○○●●◎ ●○○●●○◎

日漸箭驅暑更昌 氣方成菌雨流芳

●○○●●○● ●●○○●●◎

惜哉然後守三伏 靄靄天猶不賜涼


【句形】

七言絶句、平起こり、下平7陽(昌、芳、涼)


【語釈】

成菌…荘子・齊物篇第二「樂出虚、蒸成菌」

三伏…夏の一番の暑さ。江戸・田上菊舎・水樓避暑「欲消三伏熱」

靄靄…東晋・陶淵明・停雲「停雲靄靄」


【訓読】

日漸く箭のごとく駆け暑さ更に昌んなり

気はまさに菌を成し雨流かぐは

惜しき哉然る後に三伏を守る 靄靄たる天なほ涼を賜はず


路樹下歩


○○●●●○◎ ●●○○●●◎

路林疎密恐蛇難 草緑頻鳴生蓋山

○●○○○●● ○○●●●○◎

物異身同因意變 圓丘不見熱炎間


【句形】

七言絶句、平起こり、上平15刪(難、山、間)


【語釈】

疎密…斉・沈約・宿東園「槿籬疎復密」

物異一句…在原業平「月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして」

圓丘…伝説上の場所。


【訓読】

路林疎密にして蛇の難を恐る 草緑頻りに鳴りて生は山を蓋ふ

物異なり身同じきは意の変ずるによる 円丘見えず熱炎の間


嘆四端缺


●○●●○ ●●●○◎ ○●○●● ●○○●◎

自生地上來 未有一元亨 諸苦中至苦 不如嘲弄聲

●●●●● ●○○○◎ ○○●○● ●●○●◎

休道是昔日 一苛全生傾 何能復韓信 忍辱蒲伏寧

●○○●◎ ●●●○◎ ●●○○● ○○○○◎

欲忘如覆水 不樂處餘生 積悔存身後 將傷他人情

○●●●● ●○●○◎

人愛有四體 不憂四端輕


【句形】

五言古詩、下平8庚(亨、聲、傾、寧、生、情、輕)


【語釈】

蒲伏…史記・韓信・淮陰侯列傳第三十二「於是信孰視之、俛出袴下、蒲伏」

四體…四肢。

四端…仁義礼智。孟子・公孫丑編「人之有是四端也、猶其有四体也」


【訓読】

地上に生まれてよりこのかた 未だ一つもおほいにとほることあらず

諸苦中の至苦 不如嘲弄に声にしかず

ふをやめよ是これ昔日なりと 一たび苛まるれば全生傾く

何能く復た韓信の はぢを忍びて蒲伏の寧きをなさんや

忘れんと欲すれど覆水ぼごとく 楽しまずして余生を処す

積悔身後に存し まさに他人の情をそこなはん

人四体あるを愛すれど 四端の軽きを憂へぬなり


詩源


○○○●●○◎ ○●○○●●◎

文興抗世自求眞 能處艱難切磋因

●●○○○●● ○○●●●○◎

己若千之時至道 無論謝絶入其倫


【句形】

七言絶句、平起こり、上平11真(眞、因、倫)


【語釈】

疎密…斉・沈約・宿東園「槿籬疎復密」

物異一句…在原業平「月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして」

圓丘…伝説上の場所。


【訓読】

文は世に抗ひ自ら真を求むるより興る 艱難よく処するこそ切磋のもといなれ

己もし千たび之をせば時に道に至らんも 無論謝絶す其のともがらに入るは


讀韓籍


●●○○●●◎ ●○○●●○◎

宿好千言學習勞 普天人語一其操

○○●●○○● ●●○○○●◎

深知更樂韓文妙 稗史希書評良高


【句形】

七言絶句、平起こり、下平4豪(勞、操、高)


【語釈】

讀韓籍…筆者は韓国語の本を一冊読み終えた。

宿好…長い間続く好み。

稗史…つまらぬ物語。


【訓読】

宿好は千言学習せる労 普天の人語 其の操るところを一にす

深く知れば更に楽しむ韓文の妙 稗史希はくは書いて評まことに高からんことを

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