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望郷・羈心・偶成・稱小説・阿里阿陀耳

望郷


●●○○●●◎

相似山河改衆城

○○●●●○◎

夷如祖地爲生耕

●○○●●○●

睿因流恨異郷土

●●○○○●◎

遠嘆舊都非我京


【句形】

七言絶句、仄起こり、下平7庚(城、耕、京)


【語釈】

睿…東晋の初代皇帝、司馬睿。劉淵によって首都を追われ、建康に遷都した。


【訓読】

相似たる山河衆を改たむる城

夷 祖地のごとく生のために耕す

睿は因り恨を異郷の土に流し

遠嘆く 旧都 我が京にあらざるを


羈心


○●○○○●◎

天性施人雄躍心

○○●●●○◎

人皆不必出舊林

○○○●●○●

離群難處醉閑寂

○●○○○●◎

常御齊驅黄壤沈


【句形】

七言絶句、仄起こり、下平12侵(心、林、沈)


【語釈】

離群…孤独に生きること。東晋・謝霊運・登池上樓「離群難處心」

常御…時間の変わらない流れ。東晋・陶淵明・雑詩「歳月有常御」

黄壤…黄泉の国。


【訓読】

天性 人に雄躍の心を施すに

人皆 必ずしも旧林を出でず

離群 閑寂に酔ふに処しがたきに

常御ひとしく駆りて黄壌に沈ましむ


偶成


●●○○○●◎

我所爲文唯我能

○○●●●○◎

雖陶豈識此趣凝

○○●●○○●

然思至意亡微愛

○●○○○●◎

常著應推才自騰


【句形】

七言絶句、仄起こり、下平10蒸(能、凝、騰)


【語釈】

至意亡微愛…あまりに極まった情熱は好きな心を損なう。荘子・人間世篇第四「意有所至而愛所亡」

常著…文章をいつも書き続けること。東晋・陶淵明・五柳先生伝「常著文章自娯、頗示己志」


【訓読】

我がつくる所の文は唯だ我のみ能くす

陶といへども豈に識らんや此の趣凝りかたまるを

然れども思へ至意は微愛を亡ぼすなり

常に著すはまさに才の自ら騰るを推すべし


稱小説


●●○○●●◎

素隱賢人以爲虚

●○○●●○◎

近求非理與怡如

○○○●○○●

今人無笑莊君話

●●○○●●◎

小説同盈足語書


【句形】

七言絶句、仄起こり、上平6魚(虚、如、書)


【語釈】

素隱…隠された進歩を求めること。中庸・第十一章「素隠行怪。後世有述焉」

小説…『ノベル』のことではなく、つまらない話。

莊君…荘子の中には奇想天外な話が多く載っている。


【訓読】

隠れたるをもとむるは賢人以って虚しとなす

理にあらざるを求むるに近くも怡如いじょを与ふ

今人笑はず荘君の話

小説同じく語るに足る書に


阿里阿陀耳


○○●●●○◎

忠君士武均黄翁

○●○○●●◎

行軍楚歌不敵雄

●●●○○●○

悵而側無田妙計

○○○●●○◎

徒流砂上老頭蓬


【句形】

七言絶句、仄起こり、上平1東(翁、雄、蓬)


【語釈】

阿里阿陀耳…アリ・アタル。ボアブディルに仕えた伝説的な将軍。1483年、ルセナの戦いでスペイン軍に抵抗し戦死した。

黄翁…三国時代の老将、黄忠。

田妙計…田単が斉を救うために用いた奇策。


【訓読】

忠君士の武 黄翁に均し

行軍の楚歌 をのこに敵せず

悵而たり側に田の妙計なきとは

徒らに流る砂上老頭のみだ

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