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ガンプラ
小学三年の時の話である。
本放送の時はさして面白いとも思わなかった機動戦士ガンダムが
映画化されると突然大人気となり
どんくさい私は性格の悪い豚田(仮名)に
「シャア専用ムサイ知ってる?」
と変な煽られ方をするのであった。
私もブームに乗り遅れまいと爺様にお願いして映画を見に行ったり
何故かガンプラをたくさん持っているゆたか君(仮名)に土下座して
足だけ作らせて頂いたり
抱き合わせでクソ高くなっているゾックを恨めしい顔で眺めていたりした。
小遣いの薄かった私はしばらくガンプラを入手できていなかったのだが
塾の帰りにスーパーのプラモ売り場に寄ったら
なんとゲルググがあるではないか!
即座に手に取りレジで清算すると、へらへらと笑いながら自宅に持ち帰った。
にやにやしながら箱を開けると
中にはゲルググとは似ても似つかぬずんぐりむっくりな2等身が
「ロボダッチだこれ!!」
仕方ないので一通り作ると、爆竹を詰めて爆破した。