臆病風を吹き飛ばして
こんにちは
と挨拶をされるのが嫌い
大丈夫?
と心配されるのも嫌い
知り合いになって
微笑まれるのはとても居心地が悪い
まだ互いのことをそんなに知らないのに
そのことになぜか目をつぶって笑っている
のんきな顔に圧迫されて
私はその場を取り繕うのに必死になって
疲れている
のんきな顔と比べていると
私の小ささをいつも思い知らされて苦しくなって
ぐらぐらと煮えたぎる想いを下へ下へと押し込んで見えなくする
それでも疲れてしまうほうがいいと言う
それからもっと自分を好きになってと言う
だからたいしたことないよと言う
目の前のことばかり見ていると
自分の周りが広く広く作られていることに気づかなくなっていく
上を向いてみると大きな空とその先にある宇宙に近づける
そんなもんか
あっけなく私は自分の小ささを清々しいほどに思い知らされて
ぐらぐらした想いも吹き飛ばされていく
心地よさだけが残って
居心地のよさも悪さも好きも嫌いもどちらも同じことになって
少しだけ身軽になった私はやっとほっとして素直に笑える