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大人ってやだねー。
神様たちが、こんなにも甲斐甲斐しく世界の世話をやいてくれるのには、理由がある。
そりゃ、そうだ。
実は、僕、転生する前、まだ人間だった頃、こっそり疑問だったんだよね。
人間は神様に祈ってばっかりだけどさ。
世界を守る神様には、何のメリットがあるんだろう?って。
でも、実際に自分が世界自身(当事者)になってみると、違うもんだね。
世の中の仕組みみたいなのが見えてくるもの。
要は、神様は世界を育てて品評会みたいなことをやるらしいんだ。
品評会で入賞することはとても名誉なことだし、品評会自体が娯楽だから、ビジネスとして成り立つんだって。
つまり、神様達は僕の調教師なんだよ。
なるほど、納得。神様はそのために世界を守ってるわけだね。
でも、ビジネスって言われちゃうとさあ。
なんか、大人ってやだねーってしみじみ言いたくなってしまう。
そういうわけで、当座、世界(というか、僕の面倒を見る神様たち)の目的は、世界を品評会で優勝させることなんだけど。
無理だろうなあ、だって僕、駄犬だもの。
いきまいているのは、少女神様くらいだよ。
――って、この時は思ってたんだけどね。