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少女神様と駄犬。

誤解がないように言っておきたいんだけど、僕は神様じゃない。

たしかに、およそ地上で起こっていることなら、ほぼ僕は全知全能だけど。

それでも、神様ってわけじゃないんだよ。

あくまで、僕は()()()そのものなんだ。


神様は他にいるんだよ。

あの詐欺くさい契約書で僕を騙した女神様もそうなんだけど。

色んな神様がいて、世界そのものである僕に色んなことをさせようとするんだ。


でも、神様は地上のことに直接関わろうとはしないんだよ。

必ず、間に僕を挟むからね。

で、地上のことは僕が自分でなんとかしているわけ。

中間管理職っていうのも違うんだけど。うーん、なんていうのかな。


つまり、僕は神様っていう飼育係に世話されているワンコなんだよ。


ワンコの皮膚には、ノミやシラミが住んでいて、つまり、これが世界に住む人達ってわけ。

飼育係は僕に餌をくれたり、芸をおぼえさせようとしたりしてくるけれど。

僕の皮膚の上でノミやシラミが何回交尾したか把握しているわけじゃない。

肌が痒いなあと思ったら、僕は自分でそれらをなんとかしなきゃいけないんだ。


「タナカ・ヨウイチロウ、タナカ・ヨウイチロウ、何度言ったらわかるの」


今日も今日とて、神様は僕にご立腹。

この子も女神様だけど、僕に契約書を書かせた女神様よりもだいぶ歳若いかんじ。

僕は、心の中で少女神様って呼んでる。


天変地異(おて)って言ってるでしょ? なんでそんなこともできないの、この駄犬(クソせかい)は」


できるわけないよね。

だって、僕が不用意に天変地異(おて)なんてしたら、僕の皮膚に住んでるノミ(じんるい)が大ダメージだもの。

元人間出身の世界として、僕は割と人間びいきなんだよ。


そういうわけで、僕が彼女を心の中で少女神様と呼んでいるように。

彼女も、僕のことを駄犬(クソせかい)って呼んでいるの。


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連載中小説「よみよめ、よわば。~黄泉から嫁来て、我呼わば~」を読む

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