これは、暖かい日向の地か。
お待たせしました。
お姉ちゃんが玄関に鍵をかけて、優しくわたしの手を引く。外出するとき、わたしたちは必ずと言ってもいいほど頻繁に手をつないで歩く。
お姉ちゃんの手は少しひんやりする。私冷え症だから、冷たくて嫌でしょってよく言ってるけど、体が冷たい人は心があったかいこと、お姉ちゃんは知らないのかな?わたしは、お姉ちゃんの気持ちでいつもポッカポカだよ?
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お姉ちゃんの掌の感触に浸っていると、あっという間に学校に着いたみたい。やっぱり見えないと、どれくらい歩いたかもわからないなぁ。
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わたしたちの足音が、コンクリートの鈍いものからワックスの効いたフローリングの音に変わった。ここは昇降口かな。
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次第に、いろんな人の声が反響する空間に出た。教室…だね。
わたしは自分の椅子に座らせてもらって、お姉ちゃんはわたしのすぐ右側の席に着く。
先生たちの計らいで、席替えをしてもわたしたち姉妹が隣どうしになるようにしてくれている。
「何無妹っ、おはよー!」
「今日はいいお天気だね、色映ちゃん‼︎」
クラスのみんなもとっても優しい。
事故後の入院で何ヶ月も学校に来るのが遅れたわたしたちにも気さくに話しかけてくれるし、お姉ちゃんが日直でどうしても手が離せないときは、代わりにわたしを誘導してくれる。
みんな、すごくわたしたちに良くしてくれている。
そう、それはもう悲しくなるくらいに。
どうも、壊れ始めたラジオです。
約1ヶ月振りの投稿となります。
言い訳をしますと、プライベートが忙しかったのです。家に帰って、ご飯を食べて、寝る。こんな生活が最近増えてきました。
時が経つのは早いものですね。
これからは、鈍行更新でやっていきたいと思います。私は、忘れた頃にやってくる……はずです。
これからもどうぞよろしくお願いします。
それではまた次回。