それは、穏やかな朝の支度の時間か。
華音、朝から暴走の危機です。
ふたりで階段を下り、一階のリビングまで色映を連れて、ダイニングの椅子に座らせる。
ちょっと待ってて、と伝えるために彼女の肩をやさしく2回指先で叩いてから、台所でトースターをセットする。食パンが焼けたら、その上に自家製のいちごジャムを塗る。さらに、フタ付きの容器に牛乳を注いでストローを差し、それらをあの子の前に置く。
私が掴ませたトーストを少しかじると、色映は頬をほころばせた。それだけで、作った甲斐があったというものよね。
…ん?
あっ、あれはっ!!
自分の分を食べながら隣に熱い視線を送っていると、彼女の口元にジャムが付いていることに気がついた。
何その萌えシチュエーション。可愛いものによる急激な心拍数の増加で、いきなり心肺停止の危機なんだけど。
ヤバイ本当に死にそう。ビバ色映!!
あぁ、でも早く拭いてあげないとかわいそうよね。よし。
私はジャムを舐め取ろうと、ゆっくり彼女の顔に自らの顔を近づけ…ちゃダメよ!何しようとしてるのよ私!一度欲望に負けて暴走して、もし嫌われでもしたら、それこそ死んでしまったほうがマシ!普通にティッシュで拭けばいいじゃない。平常心、平常心。
…っ取れたぁぁっ!!
ミッションコンプリート!!
…パクッ。
……んなぁぁぁっっ!!
やっちゃったよ。付いてたジャムをティッシュごと食べちゃったよ。メチャ美味しいけど。
…まぁ、過ぎてしまったことはしょうがないわよね。
そろそろ他の準備も始めないと。
その後、着替え中に色映の柔肌を見てさっきのことを思い出し、鼻血が噴き出しそうになったのは、墓まで持っていくつもり。
どうも、壊れ始めたラジオです。
色映視点と華音視点とでは、全く異なった雰囲気の小説になってきました。カオスです。
最近、出波と見守屋をいつ出そうか悩んでいます。もうしばらく出てこないかもしれません。
ということで、まだまだ華音&色映の話が続いていきます。
次回は、ふたりの学校生活です。ややシリアスになる予定ですが、ウソになったらすみません。
また皆さんに会えるのを楽しみにしております。それでは。