これは、ゆったりとした朝の支度の時間か。
何無姉妹の朝です。
ダイニングテーブルの椅子に腰掛けると、お姉ちゃんが「離れるから、少し待ってて」という意味を込めて、わたしの肩を優しく2回指先で叩いた。これもいつもの合図の一つ。
基本、日常的に使う言葉は、わたしたち二人の間だけで通じる合図で意思を伝え合うの。それが一番早いから。
しばらくすると、ガシャッと小気味の良い音の後に足音。今日の朝ごはんはトーストみたい。
隣でお姉ちゃんの気配がして、そっと焼きたての食パンを掴ませてくれた。
そのまま口の前に持ってきて、ひとくちかじる。
大好きないちごジャムが口いっぱいに広がる。やっぱりお姉ちゃんが作ってくれたジャムはおいしいなあ。朝から幸せ。
でも、お姉ちゃんの視線が気になって緊張する。料理失敗したこと無いのに、味が気になるのかなあ。
そう考えながら食べていると、不意にティッシュが口元を撫でた。ジャム付いてたんだ、ちょっと恥ずかしい。
そのあと、一緒に歯磨きをして、お姉ちゃんにセーラー服に着替えさせてもらって、準備完了。
さあ、今日も学校へ行こう。
今日はどんな一日になるのかな。
どうも、壊れ始めたラジオです。
色映を無邪気に書くのが結構難しいです。
数週間前から悩みに悩んで決めたサブタイトルがこれです。正直に言いましょう。長いです。ですが、これが一番内容に合っていました。次回のサブタイもこんな感じです。
さて、ここらで各キャラクターの名前の由来についてのエピソードをお話しします。
今回は、物語の核となる華音と色映をはじめとする何無家です。
華音→「華やかな音」
色映→「映えある色」
というわけで、ハッキリ言って皮肉です。
二人とも障がいの対象である「音」と「色」が入る名前にしようと思っていたので、その漢字が入りつつ、そこに人名っぽい響きを合わせました。
二人の両親である護と看保はなんとなくです。敢えて言いますと、この二人の漢字を繋げると「看護」と「保護」になります。ただそれだけです。
そもそも「何無」という苗字は、「何かが無い」という意味で、「何か」は五感の一部のことです。やっぱり皮肉です。
長くなってしまいましたが、この辺でお開きにしようと思います。
また次回、皆さんにお会い出来るのを楽しみにしております。それでは。