あれは、始まりを告げる鈴の音か。
今回も準レギュラー視点のお話です。
私、見守屋桃子。看護師。年齢は内緒よ。
今日もよく一緒の患者を担当している山井治世先生とあっちやこっちへ大忙し。まぁ良く言えば、充実してるのかもね。
そんな何でもない様な日に急患として運ばれてきたのが、あの子たちだったの。
何かの交通事故に遭ったみたいで、両親は即死だったらしく、その子たちも虫の息。そのままあとを追ってしまうんじゃないかと冷や冷やしたわ。
でもね、2人は…ああ、双子の姉妹だったのだけどね、とにかく強かった。一生懸命この世に踏みとどまってくれたの。
だけど…少し、問題があったの。
2人とも、脳が大きく損傷してしまって、お姉さんの方は聴神経が、妹さんの方は視神経がほとんど機能しなくなってしまったのよ。
そのうえ、後遺症の影響からか、お姉さんは全体的に免疫力が低下して、妹さんの右脚も…動かなくなってしまったのよ。
やるせなかったわ。
これまでに何度も味わってきたけれど、なんでこの子たちが、って思ったわ。
しかも、親戚は皆早死にして身寄りもいないときたものだから、余計に。
だから、助けたい、サポートしたいって思った。
さすがに引き取ることはできないけれど、何か力になってあげたかった。
それが、私の決意。
どうも、壊れ始めたラジオです。
まだ主役は出てきません。
今回は、前話とは打って変わって一切台詞がありません。
これで一応の回想は終了です。
ではでは、また皆さんにお会い出来るのを楽しみにしています。
それでは次回。