あれは、終わりの始まりか。
初めての完全オリジナル作品です。
一つ一つの話が短いので、ちょっとした合間などにも読みやすいです。
「次のニュースです。
昨日13時30分頃、X県Y市の交差点にて、乗用車が大型トラックの下敷きになるという事故が発生しました。
トラックの運転手は軽傷でしたが、乗用車に乗っていた夫の何無護45歳と妻の何無看保42歳が頸椎圧迫により死亡、さらに娘の華音ちゃん15歳と色映ちゃん15歳が意識不明の重態です。
警察の捜査によりますと、4人は華音ちゃんと色映ちゃんの高校の入学式から帰宅する途中だったそうです。
警察は、52歳のトラック運転手Z氏を業務上過失致死の疑いで現行犯逮捕しました。
警察の取り調べに対し、Z氏は『娘が居眠り運転の車に轢かれてしまい、早く仕事を終わらせて運び込まれた病院に行ってあげたかった。本当に申し訳ないことをした。』と主張。
警察は、事故の詳しい原因を調査中です。
以上で、この時間のニュースを終わります。続いては、天気予報です。」
「はいオッケー、お疲れさま‼︎」
「出波、初めてにしては上出来じゃないか?」
「いえいえ。センパイの教え方が良かったからですよ。」
「そうかそうか。じゃ、今夜飲みに行くか。」
「ありがとうございます。ぜひ、お付き合いさせていただきます。
…それにしても、娘を轢かれた父親が別の家の娘さんを怪我させてしまうなんて、悲惨ですね…。」
「…出波、もっと乾いた考え方をしろ。でないと、この先同情なんかしてたら、アナウンサーなんか辛くてやってられないぞ。」
「そう、ですね…。」
どうも、壊れ始めたラジオです。
実は、これは事実をもとにしたフィクションだったり、そうでなかったりします。
ちなみに、この小説の主役は出波ではありません。彼はいわば、準レギュラー的扱いです。
今回、他のユーザーさんの影響を受け、全て台詞のみで進行させてみました。おかしなところがあれば、コメント等で指摘してもらえれば嬉しいです。
同時連載の「パラレルな現代版桃太郎」もよろしくお願いします。
ではまた次回お会い出来るのを楽しみにしています。それでは。