表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雪降る君に   作者: ハル
8/12

2(2)

夕方の教室に、俺は一人座っている。



かなり体力を消耗していた。



まさか初日に身体を触られそうになるとは

思わなかった。



しかも、朝っぱらから不可侵表明をしてきた

警戒対象外の武藤からだ。



上野の言っていた以上に、挙動不審で何を

考えているのかさっぱり分からない。



もしかしたら、最要注意人物かもしれない。



後から上野に聞いたところによると、

彼女は並ならぬ観察眼を用いて保健委員の

職務に心血を注いでいるそうだ。



保健委員はサボり仕事とみなしている者が

多い中、武藤は異常なほどその仕事を真面目に行っているらしい。



その観察力は侮れない。



武藤に保健室へ連行されそうになった時、

確かに俺は体調が悪かった。



暖房の効いた部屋は蒸し風呂のようで、

正直意識も朦朧としていた。



制服を脱いで少しでも体温を下げたかったのだが、冬にそんなことをするヤツはいない。



武藤には最もらしいことを言ったが、

果たして彼女に通用するのか……



しかし、同じ過去を繰り返す気はない。



今度こそ、俺はここで生き抜いてみせる。



俺は握りしめた拳をしばらく見ていた。



冬の夕日が教室を臙脂に染め上げる。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ