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雪降る君に   作者: ハル
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朝のSHR(ショートホームルーム)



今日の教室はいつもより騒がしい。



昨日、

担任から男子生徒が転校すると

連絡があったからだ。



高1の冬という季節外れの転校生に、

誰もが根拠のない推察をして

浮き足立っている。



私はうんざりして頬杖をついた顔を

窓に向けた。



学校では、できるだけ人目につかないように

生きてきた。



毎日を静かに過ごすことに命をかけているといってもいい。



だから、転校生の登場なんてイベントは

いらない。



それよりも、

私は数日前のワイシャツで

頭がいっぱいだった。



あれからあそこに雪が降ることはなく、

人にも会うことはなかった。



一瞬見えた後ろ姿から

学生ではないかと思われるのだが、

確証はない。



不思議な雪の降る中、

一人彼は何をしていたのか。



気にはなるのだが

彼についての情報は皆無で、

しかも冬にワイシャツな変態だ。



この数日は考えてもわからないことに

頭を悩ませてはイライラしていた。



窓の外は灰色の雲がかかっている。



「おい、お前ら静かにしろー」



担任が教室に入ってくると、

席を立っていた生徒が

急いで戻っていく。


相変わらず話し声は止まない。



「橋下、お前また出歩いて……」


「先生、それ飽きたっス。

それより転校生きたんスか?」



担任の言葉を遮って、

チャラ男は質問する。

担任は完全に舐められているのだ。




「……ったく、敬語もなってないぞ。

あぁ、きみ早く入って。」



どうやら転校生は廊下にいたようだ。



教室が静まる。



引き戸のすりガラスに映る影が動いて、

男子生徒が入ってきた。



「えー、彼が今日からこのクラスに入る

五十嵐君だ。じゃ、自己紹介して。」


「はい。」



教室は異常な静寂に包まれていた。

窓の外を見ていた私も、さすがに

周囲の様子にその転校生を見た。



「山形から来た、五十嵐蛍(いがらしけい)です。あ、何度か転校してるので、東北弁は話せません。こんな時期からだけど、よろしく」



誰も何も言わない。いや、言えないのだ。





















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