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プロローグ2
いつもと違うそこへ足を踏み入れると、
靴の下でザクッと音が立った。
見ると芝は雪で覆われ、
足が雪に埋まっている。
「え、なんで……」
もう一度見渡すと、
この辺り全て雪に覆われているのだと
気づいた。
ここに来るまでに雪は
降っていなかった。
ならばこれは一体……
見上げれば
雲ひとつない星空から粉雪が
舞い落ちている。
花びらのように静かに散る雪の向こうに
冷たく輝く冬の星が見えた。
雪雲がないのに雪が降っているのは
おかしい。
しかし、不気味さは感じなかった。
あるのは、
ーーー親近感、だろうか。
雪と星はおなじものを宿している。
私も抱えているそれ。
冷たくて、静かなもの。
ーー孤独。