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天使のお仕事  作者:
3/3

状況と処遇

関係者の話を聞いての事実確認は終わった。後は神様の意向だ。話を聞く限り、美里は既に死んでいるようだから、いつもの手続きをしたってかまわないだろう。でも美里は自分の名前を覚えているんだ。その辺りが神様の考えに影響してくるかもしれない。神様って割と面白いことがお好きらしいからな。


——では、神様。美里とやらの処遇はどういたしますか?

——いつも通りにするべきか、それとも何か考えでもおありで?


上司と悪魔の一人がいう。僕やほかの人たちも、それから美里も、一番気になっていたことだ。お二人の神様は顔を見合わせて、それから僕たちに告げられた。


——そなたらは美里の過去をみたかの?

——いいえ、みておりません

——名前を覚えているという時点で、手続きは後回しにいたしましたから。


一番下っ端の僕がこの場で発言するのはどうかと思ったけど、でもこの場にいる中で僕が美里の手続きを中断した張本人だ。僕が答えるべきだろうと思って、天使——もちろん僕よりも階級が上だ、直接の上司ではないけど——に付け加えるように発言した。そうか、と神様がいわれる。手続きを後回しにしたことをおこられるだろうか、神様の聞き方じゃまるで…


——美里はまだ死んではおらぬのだ。


やっぱり。神様の話し方じゃ、まるで美里が死んでいないみたいだったと思ったら、本当だったなんて。死者以外がここに来ることなんてあったんだな…そんな風に静かに驚いていたら、神様はさらに驚くべきことを言われた。


——しかし美里が死に近い状態にあることは否定できん。

「死に近い状態…?」

——眠り続けておるということよ。植物状態とかゆうたか?


そのことを知っていた神様以外のすべてが絶句した。死者じゃないのにここに、あの世にきた。ただし植物状態。だってそれってつまり、幽体離脱とか、そういうことなんだろう?そんな人物——幽霊というべきか——を目にしたことがあるやつなんてそうそういないはずだ。僕だって、上司たちだってすごく驚いている。でも美里にとっては、驚きとかそれどころじゃなかったようで、呆然としていた。思わず僕は神様に尋ねた。


——では、美里はどうなるというのですか?

——どうもせぬわ。いや、どうにもできぬといったところかの。

——それは、どういうことで?

——妾たちではどうにもできぬということよ。美里自身がどうしたいか考え、行動するしかなかろうて。


神様はそういってから、美里を見た。美里は未だ呆然としていて、僕らに考えを話せるような状況じゃなさそうだ。当たり前か。死んでないといわれてほんの少しほっとしたのに、その直後に植物状態になってると告げられるなんて。


——美里をしばらく休ませてやるといいじゃろう。

——そうですね。そうしましょうか。


神様はそういってから、お二方そろって踵を返した。お帰りになるのだろう。美里の面倒は誰が見るのだろうか。悪魔の奴らは面倒見ようなんてしないだろうしな、必然的に僕たち天使が面倒を見るのだろう。


「私、どうすればいいの…?」


美里がぽつりとつぶやく。美里はまるで迷子の子供のような瞳をしていた。どうすればいいのかわからずに、ただ立ち尽くして助けを待ってる、そんな子供。僕ら天使はそんな人を見捨てられない。いや、だから天使なんだけどね。親切とか偽善とか、色々いわれたりはするけど、僕たちは結局人という生き物が見捨てられない、ただそれだけだ。


——しばらく、ここにいるといいよ。神様もそうおっしゃられた。ですよね?

——ああ。私たち天使で面倒を見よう。

「私、ここにいてもいいの?」

——もちろん。ゆっくりどうするか、考えればいいよ。


僕と上司はそういって、美里を部屋に連れて行った。一番始めに美里を案内した部屋だ。それから僕は、美里のことを上司に任せて仕事に戻ることにした。そろそろ交代の時間だったからだ。僕も上司も普段の仕事がある。美里には悪いが、美里にばかり構ってはいられなかった。


——美里の面倒は、天使の中で手の空いてる者がみることとする。

——わかりました。僕は休憩ごとに顔を出すつもりですが、食事などはほかの天使に任せても?

——その辺りは私が手配しておこう。天使全体に連絡を回すことにする。

——はい。


僕は上司とそれだけのやり取りをし、仕事に戻った。休憩がなくなってしまったけども、仕方ない。それにしても、またあの行列をさばかなくてはいけないのか。僕は若干憂鬱になりながらも、交代の天使から仕事を引き継いだ。


間があいてすいません!なかなかしっくりこなくて…

後半部分が大分変わりました。

しかも前回3話目で一応完結でしたが、今回はまだ続きます。

早めに続きをアップできるようがんばります!

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