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第1話:目覚めと戦いの序章

王都のギルドは、冒険者たちの活気で溢れていた。冒険者には階級制度があり、ブロンズ、アイアン、プラチナ、ゴールドの4段階に分かれている。最高位のゴールド級はほんの一握りで、プラチナ級もまた熟練の冒険者だ。ガレンたち一行はプラチナ級に属し、首にはプラチナ製のメダルを首飾りとしてかけている。メダルの真ん中には白色の魔石が組み込まれ、地位を示していた。巨大な石造りの建物の中、ギルド長の部屋にその4人が集められていた。

ギルド長グラヴォスは、ドラゴンを人型にしたような鱗に覆われた体、鋭い金色の瞳、背中に広がる翼が印象的な存在だ。威厳ある姿ながら、口元には柔らかな笑みが浮かんでいる。「ガレンよ、久しいな。元気そうで何よりだ」低く響く声に温かみが加わる。ガレンが豪快に笑いながら応えた。「おう、グラヴォス!俺たち、いつも元気だぜ!…けどさ、俺ら休暇中だろ?他の冒険者じゃダメなのかよ?」首にかけられたプラチナメダルが揺れる。シオンが青いセミロングヘアをリボンで束ね直し、「だよなあ。せっかくのんびりしようと思ってたのにさ」と不満げに呟く。エルナがボサボサの灰色の長髪をかき分け、目に隈を浮かべながら言う。「王都のゴールド級は全員出払ってるわ。私たちプラチナ級が動くしかないでしょうね」寝不足の顔だが、古代遺跡の話が出た瞬間、彼女の声に微かな興奮が混じる。ミリアがタバコを咥え、赤毛のウルフカットを揺らし、「ったく、面倒くせえな。休暇返上で働かせるなんて、グラヴォスも鬼だね」と毒づく。

グラヴォスが苦笑しながら答える。「すまんな。信頼できる冒険者が皆出払ってしまってな。プラチナ級の君たちにしか頼めなかったんだ。アストラリスの遺跡…古代文明のダンジョンだ。そこに眠る遺物を回収してきてくれ。報酬はたっぷり用意するぞ。皆、無事に帰ってこいよ」優しく目を細めるグラヴォスに、ガレンが肩を叩きながら笑う。「まあ、グラヴォスがそこまで言うなら仕方ねえな!行くぞ、みんな!」エルナが目を輝かせ、「アストラリスの遺跡…!古代文明の技術が詰まってるはずだわ。解読が楽しみ…!」とテンション高めに呟く。シオンがため息をつき、「報酬がいいならやるけどさ、面倒なトラップとかありそう…」とぼやく。ミリアがタバコの煙を吐き出し、「さっさと終わらせて休暇取り戻そうぜ。行くぞ」と促す。

一行は王都から数日かけてアストラリスの遺跡に到着。ダンジョン入口は、かつての古代文明の近未来感を色濃く残していた。滑らかな金属でできた巨大な門は、幾何学的な魔力回路が刻まれ、かつては青白い光が脈動していただろう。しかし、隕石群の衝突で門は大きくひしゃげ、扉は跡形もなく吹き飛んでいた。周辺には古代文明時代の建物の残骸が広がり、半壊した塔や崩れたドーム状の構造物が、かつての繁栄を物語る。長い年月が過ぎ、金属は錆びつき、魔力回路は薄暗く点滅するのみ。魔素が蓄積した空気は薄紫色に濁り、地面には黒い魔石の欠片が埋もれ、風化した骨のような岩が点在している。自然の浸食が進み、ひび割れた大地からは枯れた蔓が這い、異様な静けさが辺りを支配していた。「ここ…長い年月を感じるぜ。油断できねえな」ガレンが大剣を構える。シオンが素早く周囲を索敵し、「ゴブリンの臭いがする。近くに巣があるかも」と警告。エルナが遺跡探索用の文献書である古代文明研究書を取り出し、目を輝かせながら「この魔力回路…古代文明のものね!ゴブリンごときが理解できるわけないわ。早く中を見たい…!」と興奮気味に言う。彼女は古代文明研究に没頭し、お風呂に入る暇も惜しんで寝不足で目に隈ができているが、遺跡探索ではテンションが高い。ミリアがタバコの煙を吐き出し、「さっさと進むぞ」とせかす。

ダンジョン序盤、薄暗い通路を進む一行をゴブリン集団が襲う。「ギシャ!侵入者、殺す!」亜人語で叫びながら、10匹ほどのゴブリンが棍棒や錆びた短剣で襲いかかってきた。「来たぞ!迎え撃て!」ガレンが大剣を振り上げ、先頭のゴブリンを一撃で叩き潰す。シオンが短刀二刀流で素早く動き、ゴブリンの背後に回り込んで喉を掻き切る。「雑魚が…邪魔だよ」と赤い瞳が鋭く光る。

エルナが魔道書を掲げ、呪文を唱える。「炎よ、敵を焼き尽くせ!」炎の矢が放たれ、3匹のゴブリンが燃え上がる。「…効率的に排除できたわ。古代文明語を知らないゴブリンに、ここは場違いね」と冷静に呟くが、内心では遺跡の奥に進む期待で胸が高鳴っている。ミリアが魔道狙撃銃で援護し、「ったく、調子乗ってんなよ!」と遠距離からゴブリンの頭を撃ち抜く。タバコを咥えたまま回復魔法を展開し、「ガレン、傷ついてんぞ。癒しとくから動くな!」と叫ぶ。

戦闘が終わり、ゴブリンの死体を片付ける一行。「序盤でこれか…奥はもっと面倒そうだな。気を引き締めねえと」シオンが舌打ちする。ガレンが肩を叩き、「まあまあ、いい手合わせになっただろ!」と豪快に笑う。エルナが古代文明研究書を手に、魔力回路の刻まれた壁を調べ、「この先、もっと興味深いものがあるはず…早く見たいわ…!」とテンション高めに呟く。ミリアがタバコを地面に捨て、「酒がねえとやってらんねえな。さっさと進むぞ」と促す。

一行はダンジョンの深部へ進む。





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