表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
強面さまの溺愛  作者: こんこん
一章
1/66

プロローグ

プロローグは超短めです!

ロゼは呆然としていた。


ここは神殿、中庭に続く吹き抜けの廊下。季節は春も未だという頃で、天井高く響く風の音はどこか寒々しい。その廊下には、ふたつの影がおちていた。

ひとつはすこし小さめの、少女とも見て取れる程の影。

そしてもうひとつは……


――実家の玄関に置いたら防犯になりそうです。いえ、その前にかあさまととうさまが泣き叫んで家に入れないですね。まあ置物ではなく人ですけど。


ロゼは只今現実逃避中だった。現実とは、そう、目の前の男。


傾きかけた太陽を背負うその男の顔は、今は見えない。その体は大きいという表現では足りないくらいに大きく、分厚い。腕は片腕でロゼを挟めるくらいにはがっしりとしており、腕には筋が浮いている。腰はロゼの胸元まであり、足は着ているズボンがぱっつぱつになるほどに筋肉がついていた。…はち切れそうなズボンが可哀そうだ。


想像してみて欲しい。自分の二倍はあるのではないかというような男が、太陽を背に無言で立っている。顔が見えないが、おそらく自分を見つめて。


男が一歩踏み出す。その時、夕日に雲がかかり廊下に薄暗い影を落とした。


「っ!」


その時悲鳴をあげなかった自分をロゼは褒めたい気持ちになった。大変失礼な話ではあるが、それも致し方ないのかもしれない。なにせ、暗い廊下で自分を見下ろす男の顔は。




失神してもいいくらいには恐ろしかったから。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ