9,おばさんの言葉
するとおばさんは、私の頭を撫でながら、ゆっくりと話した。
「沙希ちゃんは、その恋を無駄だって言ってたけど・・・・・・本当にそうだった?
叶わないからその思いは無駄になるってことは、ないと思うわよ?
だって、沙希ちゃんは沢山の気持ち・・・・・・貰ったでしょ?」
私はその言葉を聞きながら、今までの沢山の思い出を思い出していた。
どれだけ思い出しても・・・・・・無駄だと思う気持ちは、一つもなかった。
「うんっ・・・・・・」
私は、涙を泣かしながら答えた。
「でも、どうせ答えは見えちゃってるし・・・・・・もうすぐあっちにも戻らなきゃいけな
いから良いの」
私は涙をふきながら、無理して笑って答えた。
「沙希ちゃん、そういう時は本当に思ってることを言いなさい?
それに、どうせ答えが同じなら、せめて自分の心がスッキリした方が良いでしょ?
だったら、まだ沙希ちゃんに出来ることはあるんじゃない?」
そのおばさんの言葉は、とそっと私の胸に響いていた。
その日の夜、優から電話が来た。
「今出てこられる?」
と言われ、私は急いで玄関を出た。
「優・・・・・・どうしたの?」
「えっと、俺なんかしちゃったかなーと思って」
どうしていつも優は優しいんだろうと、私は思った。
そして、それと同時におばさんの言葉も思い出していた。
「ううん、優は何にも悪くないよ。あとね、私・・・・・・」




