7,聞きたくなかった言葉
優の家に向かって走っていると、やっと二人に追いついた。
「あっ、いた!ゆっ」
私が、優の名前を呼ぼうとしたとき、耳を疑う言葉が聞こえてきた。
「喜代・・・・・・俺、喜代が好きだ」
「え?優ってばなに言ってるの?」
その言葉に優は、喜代の肩を掴んで必死に訴えた。
「本当だ!本当に喜代が好きだ」
その言葉を聞くと、喜代は静かに泣き出した。
それに優は驚き、掴んでいた手を離して恐る恐る顔をのぞき込みながら言った。
「ごめん!一方的だったよな・・・・・・」
「ううん、ちがうよ。私ずっとあり得ないと思ってたから・・・・・・嬉しいの」
その言葉を聞き、優はホッとしながら微笑んでいた。
私は、目の前が真っ暗になっていた。
まるで恋愛ドラマのワンシーンを見ているように思えた。
そして、私は二人に気づかれないようにその場を後にした。
「私、何にも変わってないな・・・・・・また告白も出来なかった」
涙を流しながら、私は一度来た道をゆっくりと歩いた。
その日は、とても夜が長く感じた。
それから家に帰りベッドに入ったが、全く眠ることが出来ないまま、気づけば太陽は
昇りきっていた。
「全然眠れなかった・・・・・・」
もう一度寝ようとしたが、さすがに無理だったため、私は着替えていったんおばあち
ゃんとおばさん達が居る茶の間に降りた。
その時、ちょうど玄関のインターフォンが鳴った。
「沙希ちゃん、ちょっと出てくれない?」
「わかった」
おばさんに言われ、私は玄関に向かった。
玄関を開けると、そこには優と喜代が立っていた……。




