6,疑問
「よし!なんか、語ってたら写真撮りたくなったから、ちょっと行ってくるな」
そういうと、優は向こうを走っていき、気づけば姿は見えなくなっていた。
「本当に優っていきなりよね」
「うん、なんか写真に本当にまっすぐな感じがする」
すると、喜代は少し切なそうな顔をして話してきた。
「でも、一度だけ挫折しそうになったことがあるのよ」
「そうなの?」
私は驚いた。ずっと優はまっすぐに夢に向かっている人だと思ってたから。
「うん、今では完全に立ち直ってるけど・・・・・・私は、何にもしてあげられなかった。
励まして、支えるだけしかできなかった」
その言葉を聞き私達は、会話を止めた。
そして私は、もしかしたら・・・・・・喜代は優が好きなんじゃないかという疑問を覚えた。
その時、優が戻ってきた。
「お待たせー、ついでにラムネ買ってきた」
「ありがとう、優」
気がつくと喜代はもう、いつも通りの笑顔に戻っていた。
「ほら、沙希の分」
優はまた、私が好きないつもの笑顔で話しかけてくる。
「あっありがとう」
私はいつしか、優につられて自然と笑うようになっていたことに気づいた。
私の心の中には、いつの間にか優が好きという気持ちで溢れていた。
それから少したつと、辺りは完全に暗くなっていたため、解散することになった。
「じゃあ、沙希またね」
「またな、沙希」
「うん、おやすみなさい」
私は玄関先で二人を見送った。
そして部屋に戻ると、優に借りていた写真集を思い出した。
「そうだ!まだ間に合うだろうし、返してこよう」
私は、すぐに二人を追いかけた。




