27 起こし方
朝
「あの……梨沙さん」
「くぅ……くぅ……」
「いや、そんなわざとらしい寝息たてても無駄ですから」
朝、朝食は任せて!とドヤ顔した先生に朝は任せてゆっくりと寝ていたら唐突な柔らかい圧力で目を覚ました。うん、まあぶっちゃけ先生に抱きしめられていたのだ。
「梨沙さん。朝ごはん作るんじゃないんですか?」
「もう出来てるよー」
「はい?」
「うん?」
むぎゅっと抱きしめる先生に俺は首を傾げて聞いた。
「あの……じゃあ、なんで俺を抱きしめてるんですか?」
「ヒロくん起きないから、それなら私なりにヒロくんに安眠を届けようなぁーって思ったの」
「せめて起こす努力はしてください……」
何故寝る方向にシフトしたのか疑問だが……事実起きてるので正しかったとしか言いようがない。そんな風に思っていると先生は頬を赤く染めて言った。
「昨日はヒロくんすっごく情熱的で………でもね、すごく優しくて嬉しかった」
「いや、何勝手に初夜したことにしてるんですか」
「え?でもヒロくん寝ぼけて私の胸触ったよね?」
やべぇ……それがマジなら俺ってばなんてラッキースケベを寝ぼけてしたんだよと思う。
「でもね、ヒロくん。私としてヒロくんには挨拶で私の胸やお尻を触るくらいのフレンドリーさが欲しいのです」
「いや、それって立派なセクハラですから」
どこのセクハラ親父だよと思うが……なんか、先生俺にならやられても本気で喜びそうで怖くはある。痴漢から助けて痴漢プレイは本気で勘弁して欲しい。
「私の胸やお尻はいや?」
「ではなくて。大切だからもっと大事にしたいんですよ」
「むー、嬉しいけど、買ったゲームをやるようにドーンとかもーんだよ」
この認識のズレはなんだろう……いや、わかってる。心から気を許してくれたのだから見えてきた景色なのだろうが………それにしても普段の先生は本当にまだまだ可愛く感じられるほどに大胆だよね。まあ、今も可愛いけどさ。
「あ、ヒロくん。わかめ酒って知ってる?」
「未成年ですってば。あと、やらなくていいですから」
「オレンジジュースでもいいんだよ?」
「そういう問題じゃないです」
というか、さらっと何をさせようとしてるのやら……なんか1度関係持ったら本当にエロゲー主人公並のプレイをさせられそうだと思った。俺ってば一応未成年なのだが……これが俗に言うバレなきゃセーフってやつか?うん、そうだな。どのみち秘密の関係なんだしそれは仕方ないと割り切るとして………とりあえず起こし方に関して色々話そうとため息をつくのだった。