25 当ててんのよ
定番
「ふぁ……ヒロくんのおっきい」
「誤解を招く言い方しないでください」
背中の話だからね。うん。前も見られたけどそっちの感想ではないはず。だって今背中流すために俺は先生に背中向けてるしね。
「むふふ……では、これからヒロくんのおっきいのを堪能します」
「もうわざとですよね?」
俺をからかって楽しい……んだろうねぇ。そんなにリアクション面白くはないはずなんだが………はぁ………。
「でも、ヒロくん思ったよりもずっと男の子って感じだね」
「そうですか?まあ、梨沙さん小柄だから余計そう感じるのかもですね」
「むー、胸はおっきいもん」
「いや、誰も胸の話はしてません」
確かに小柄だが胸は大きめーーーって、何を言わせるんだよ。ダメだ。意識しちゃ。別のことを考えよう。こんな時はそう、素数を数えれば………
「よいしょっと」
むにゅりと柔らかいが一部固い感触が背中に伝わってくる。
「よいしょ、よいしょ」
「いや、ナチュラルに続けないでください」
なんでこの人普通に胸で背中洗ってるの?これなんてプレイ?
「え?だってヒロくんこういうの好きかと思って……」
「いや、確かに嬉しいですが、いきなりはびっくりするんでやめてください」
「わかった。じゃあ、続けるね」
「せめて心の準備をさせてください……」
うん、来年の目標は『NOと言える日本人になる』にしようと密かに決めた。どうにも俺は押しに弱くていけない。
「ねぇ、ヒロくん」
「なんですか?」
「前も洗っていい?」
「勘弁してください」
彼女が積極的すぎて直ぐに大人の階段登りそうだが……本当にどうしましょう。嫌ではないが、もう少し清い関係を続けたいんだが……やっぱり何をされてもラノベ主人公並の鋼の精神で耐えるべきだろうか?
まあ、最近のラノベ主人公普通に流されるパターン多いけど……うん、一昔前のラノベ主人公を見習おう。
「むー、恥ずかしがりやだぁヒロくんは」
「むしろ梨沙さん恥ずかしくないんですか?」
「ないよー。だって好きな人の前だもん」
………もうさ、この笑顔に俺は弱いんだろうなぁと思う。どこまでも可愛いこの笑顔………まあ、なんだかんだで俺も先生のこと大好きだから色々受け入れてしまうのだろうね。
「はぁ………俺が恥ずかしがる梨沙さん見たくてもダメですか?」
「うーん、でも、ヒロくんになら私何されてもいいしなぁ。なんなら公開プレイとかしちゃう?」
「しません。独占欲強いのでしたくないです」
「えへへ〜、ヒロくん大好き♪」
また余計なことを言ってしまったとため息をつきながら俺は先生に背中を流されるのだった。