2 親友は熟女好き
親友より主人公に色々盛りすぎた(^_^;)
「お、ういーす。弘樹」
「あ、おはよう達也」
「珍しいな、お前が自転車じゃないなんて」
そう言いながら駆け寄ってきたのは、親友の柴田達也だ。チャラそうな外見だが、イケメンでコミュ力もあり、各種スペックも高いので、本来なら女子に人気なのだが…
「おお!なあなあ、それよりも弘樹よ。あそこのマダムマジでヤバくね?俺口説いてきていいかな?」
「うん、ごめん。ただのおばさんにしか見えないけど…」
「馬鹿だな弘樹は。いいか、女ってのは熟れてる方が美味いんだよ。つまり熟女が正解なのさ」
……うん、見ての通り、重度の熟女フェチなのだ。俺は別に年上の女性がダメなわけじゃない。むしろ好きなのだが…どう見ても50代越えてそうなところまで踏み込めるほど肉食系ではない。
まあ、こんなんだから、知らずに告白して後悔する女子は山のようにいるのだが…本当にイケメンの無駄遣いだと思う。
「というか、人妻は本当に止めた方がいいと思うけど…」
「その背徳感がいいんだろ?それに相手も同意してるから、遊びとしては楽しいもんだ」
「よくわからないけど、とりあえず将来彼女出来て結婚したらお前に寝取られそうで怖いのはわかった」
まあ、出来るかはしらないけど。
「流石に親友の女に手は出さんさ。それにどう考えてもお前と結婚する奴は浮気なんて考えられないだろうしな」
「なにそれ」
「それくらい、お前が凄いってこと」
よくわからないけど…まあいいか。
「そういや、今日は自転車じゃないんだな」
「まあね、今日は実習多いし」
「なあ、やっぱりあんな山奥から早く出て近場に引っ越したらどうだ?」
「そうしたいけど…それだと、お祖母ちゃんの家を手放すことになっちゃうしね」
俺が住んでるのは所謂山に面している土地で、交通の利便性は最悪と言っていいだろう。田舎というのもあるが、1番近い公共交通機関が駅なので、体力優先の時は電車。それ以外は自転車と使い分けている。
まあ、不便でも、亡くなった祖母が残してくれた大切なものだし簡単には手放せなかったのだ。
「つっても、いつかは出なきゃいけないだろ?」
「…まあ、売っても二束三文だろうけど、その時になったら考えるよ」
お祖母ちゃんからは、大切な人が出来たら売っていいと言われてるが…そんな人が出来るのだろうかと思ってしまう。
母親を早くに亡くして、父さんは俺を残して蒸発。唯一大切だった祖母もいなくなってしまい、名義上だけ保護者の叔母に迷惑をかけないようにひっそりと生きていく生活…嘆いてるわけじゃないけど、こんな俺に誰かを好きになる資格が果たしてあるかは疑問だし、好きになってくれる人がいるのかも疑問だとこの時は本気で思っていたのだ。