17 夜這いですが何か?
夜這い
「はぁ……なんかどっと疲れた……」
寝る時間になってから、ようやく1人になってベットに寝転がる。なんか激動の1日だったなぁ……
「まあ、嬉しかったけどさ……」
さっきも、一緒に寝る?という究極の問いかけをしてから隣の部屋に入っていた先生なのだが……そんなことしたら徹夜確定なのでご遠慮願った。
「明日も午前中少しバイトやって……午後には先生の引っ越しの手伝いしないとなぁ……」
あ、ヤバい瞼が重くなってきた。自分で思ってたより疲れたのだろうと思ってその心地良さにしばらく身を委ねていると、何やら身体にかかる重さが増えたように感じた。
「ん……?」
目をうっすらと開ける。なんか可愛い顔が至近距離にあった。目を閉じて気の所為だと思ってからもう一度開けて……思わずジト目で言った。
「あの、なんでここにいるんですか?」
「むふふ、よ・ば・い♪」
「いや、可愛く言っても普通に止めてください」
まあ、別に鍵とかないんだけど……それでも、普通入ってくるかな?いや、確かに男女間で部屋に入る時のハードルの違いはあると思う……思うが、それでも一応プライベート空間だぜ?まあ、言っても無駄だろうから俺はため息混じりに言った。
「とりあえず、腕枕は疲れると思うんで普通に寝てください」
「ヒロくんの寝顔至近距離で見たかったの……ダメ?」
「そんなのこれからいつでも見れますよ」
というか、需要あるのだろうか?多分先生にしかないだろう。
「それより、ヒロくんもう少しフランクに話してもいいんだよ?」
「それはもう少し時間ください。流石にすぐにタメは難しいですよ」
「そうかな?ヒロくんに呼び捨てで罵られたいんだけど……ダメ?」
「今は無理です」
というか、サラッとなんか欲望出てなかった?先生そっちなのか?……いや、よそう。やぶ蛇になりかねないしね。
「ねぇねぇヒロくん。子守唄と物語話すの……どっちがいい?」
「子供あやすわけじゃないんで普通に寝かせてください」
「あ、じゃあ、大人の階段登っちゃう?」
「いえ、サラッと登りませんから。もう少し心の準備をさせてください」
なんか誘惑強いような……気のせいかな?
「あ、じゃあ、恋バナしよっか。私からね。私は……ヒロくんが大好き♪」
「俺は梨紗さんが好きです……って、恋人同士で恋バナは普通にイチャイチャじゃないですか」
まあ、あるいは修羅場だろうけど……本当に楽しい人だと思いながら何故かいつの間にか先生のペースになっているのだから、本当に凄い。