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16 ご褒美に膝枕

ご褒美

「どうだった?」

「はい、凄く美味しかったです」


そう答えると嬉しそうに微笑む先生。夕飯を作ってくれたのだが……やっぱり自分で作るより遥かに美味しいと思った。


「ヒロくん、ヒロくん」

「なんですか?」

「私は頑張りました。なので、ここでヒロくんにご褒美を所望します」

「ご褒美ですか?」


何を渡せばいいのやら。


「あ、ご褒美って言っても何か物が欲しいわけじゃないよ?婚姻届とかならカモーンだけど。あるいはヒロくんの貞操」

「いえ、その程度なら別にいいんですが、心の準備をさせてくたださい」

「私も初めてだよ?」

「そういう問題じゃなくて」


というか、マジでか。嬉しい情報ではあるけど……本当にそれなら何を渡せばいいのかわからないな。そんな風に思っていると先生は立ち上がってから俺の隣に座ると膝の上に頭を乗せて膝枕の体勢になった。って……


「あの……これがご褒美ですか?」

「うん、ヒロくんの膝枕。ご褒美としては妥当じゃない?」

「男の膝枕なんて固いだけじゃないですか?」

「ヒロくんのヒロくんをダイレクトで感じるよー」

「セクハラですよ」

「恋人だからノープログレム」


自由な人だなぁと思いながらなんとなく頭を撫でる。綺麗なさらさらの髪が手に触れると心地よい。


「ねぇねぇ、ヒロくん」

「なんですか?」

「このまま寝てもいい?」

「いや、普通にやめてください。足が死にますから」

「む?それって重いってことかな?」

「じゃなくて、朝までこれは普通に辛いです」


人一人を膝に乗せて徹夜とか勘弁して欲しい。多分足の感覚死ぬだろうし。


「ふふ、起こしてくれないんだね。優しい♪」

「どこがですか」

「ヒロくんは優しいよー。私優しいヒロくん大好きだなぁー」

「……褒めても何も出ませんよ?」

「ちぇ、ヒロくんのいけず」


そんなくだらないやり取りに苦笑してしまう。なんだかさっきまで深く考えていたのが馬鹿らしくなってくるが……この人にはこういう魅力があるのだろう。


一転してさっきの聖母のような優しさも持っているから、更に素敵なのだろうが……はぁ、俺も大概この人のこと好きになってたんだな。勘違いしないように頑張ってたのに……それをあっさりスルーするこの人の行動力が本当に凄いのだろう。


学校ではあんなに普通に先生やってるのに、家ではこんなんだとギャップもあってさらにヤバい。ま、それだけ俺も好意があるんだろうね。とりあえずは捨てられないように頑張るとしますか……現状それがいいだろうと思いながら膝枕をするのだった。







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