13 自宅訪問
シリアスにはなりませんw
「お邪魔しまーす」
そう言いながら俺の家……というか、お祖母ちゃんの家に入る先生。何故こうなったのだろうと思っていると先生は言った。
「広いねー。これは掃除も楽しそうだ♪」
「……あの」
「ああ、ごめんね。まずはちゃんとご報告しないとね」
そんなことを言ってからお祖母ちゃんの仏壇の前に来ると先生は言った。
「初めまして。相沢梨紗と言います。今日からお孫さんと一緒に住まわせて貰いますのでよろしくお願いします」
……そう、その言葉の通りだ。先生の家に連れてかれてから俺の家に住まわせて欲しいとの頼みをしてきた先生。もちろん突然そんなことを言われても困るのだが……
『西島くんじゃなきゃ嫌なの。お願い』
あまりにも真剣に頼まれたので思わず頷いてしまったのだ。我ながらチョロすぎるよね。うん。
「あの……本当に俺の家でいいんですか?利便性とか皆無ですが……」
正直前の先生の家の方が断然利便性は高い。ここに引っ越してくるメリットなんて静か以外にはないしね。
「うん、だってこれで西島くんと一緒にいられるしね」
「……あの、あんまりそういうこと言われると俺も年頃なので……その、勘違いしちゃいそうになるんですが」
「勘違い?」
キョトンとする先生。言わせるのかよと思いながら俺は言った。
「その……先生が俺のこと好きだって勘違いしそうになるって意味です」
「なんだそんなことか」
くすりと笑う先生。あ、もしかしてこれ、そんな可能性どうでも良かった系かな?だとしたら俺相当恥ずかしいけど……
「だって事実だしね」
………え?
「……えっと、からかってたりしますか?」
「むぅ、失礼な。本気だよ」
「えっと……好きってlikeの方ですよね?」
「Loveの方だよー」
……んん?えっと、それってつまり……
「私、西島くんのこと男の子として好きなんだよ」
先生が俺のことを?いやいやそんなまさか……でも、それなら今までの行動も全て納得出来るけど……俺なんかを先生が?
「私ね、痴漢されてた時本当に怖かったの。そこにああして勇気を出して助けてくれた西島くんに多分一目惚れしたんだと思うんだ。その後に接してて本当に私の理想通りで、私本気で西島くんのこと好きになっちゃったんだ」
そんな馬鹿な……そう思ってから俺はそんな都合のいい展開を想像してからーーー途端に父親の顔を思い出して冷静になる。
『お前みたいな奴生まれて来なければ良かったんだ』
……そうだよね。俺なんかが高望みしちゃダメだよね。そう思ってから俺は自分の負の面を晒して諦めさせることにした。
「先生。俺、母さんを殺したんです」