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1 お祖母ちゃん俺、頑張ったよ

タイトルが書きたかっただのやつですw

それは本当に偶然のことだった。朝、いつもは自転車通学なのだが、珍しく気分が乗らずに電車通学をしている時のこと。電車内に見覚えのある人を見つけたのだ。


セミロングの綺麗な黒髪と整ったプロポーション。スーツ姿が似合う美人さんは今年からウチのクラスの副担任になった相沢梨紗あいざわりさ先生。国語の担当でとにかく美人で男子生徒からも人気があるのだが……まあ、そんな大物人物を見つけて何をどうしようとも思わず視線を逸らそうとしてから、何故か違和感を感じてじっと見る。


すると、何やら後ろの中年男性が近い……というか、あれ触ってね?なんか先生も不快そうにしてるしこれってまさか……


(ち、痴漢……?)


まさか、現実にやってる馬鹿がいるとは思わず思わず動揺してしまう。近くで気づいてる客もいるはずなのに皆見て見ぬフリだし、どうすれば……


そんなことを考えてから、ふと唐突に亡くなったお祖母ちゃんの言葉を思い出す。


『いいかい、弘樹。どんなことがあっても困ってる人がいたら助ける。特にそれを言葉に出来ない人にこそちゃんと気づいてあげるんだよ』


……そうだね、お祖母ちゃん。俺、頑張る。


そう決意してからツカツカとそちらに歩いて行ってから勢いよく男性の手を掴んで震える声で言った。


「や、やめてください!痴漢は犯罪ですよ!」

「え……君は……」

「な、なんだいきなり!失礼なこと言うな!どこにそんな証拠がある!」

「そんな風に女性を傷つけて……男として恥ずかしくないんですか!それでもあなたは社会人ですか!」


俺の言葉に先生が驚く中で男性が苛立ったのか、俺の手を払おうとする前に、別の男性がその人の肩を掴んで言った。


「いやはや、全くだ。己の欲望を発散するために他者を傷つける……なんとも愚かなことだ。証拠は私がカメラで撮ったから後できちんと駅員に引き渡そう。少年」

「は、はい……?」


驚く俺に対してその男性は微笑んで言った。


「怖かっただろうによく勇気を出してその女性を助けた。君は偉いよ」


………え、なにこの人。めっちゃイケメン。大事なところ全部持ってかれたなぁと思いながら頭を下げると先生は俺に近づいてきて言った。


「あの……ありがとう、西島くん」

「いえ、大丈夫ですか?」

「うん、ちょっと怖かったけど……その、君のお陰で助かったよ。ありがとう」

「いえ……俺なんか何も」


チラリとイケメンさんを見ると中年男性を逃がさないように掴んでいた。あぁいう人が本当にカッコイイんだろうなぁと思っていると、先生は首を横に振って言った。


「うんうん、さっきの言葉も行動も……全部カッコ良かったよ」


そう頬を染めて言われてしまったので、俺も思わず赤面してしまう。勘違いだとわかっていても……それでも、先生を助けられて良かったと、そう思いつつ、これでいつもの日常に戻るのだろうとこの時は思っていた。


だって、痴漢から助けたのは実質的にイケメンさんだし、先生はきっとこの後イケメンさんとかとフラグが経ったんじゃないかと思うじゃん……まさか、俺にそのフラグが向くとは露ほども思わなかったのだ。







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― 新着の感想 ―
[一言] すみません。 たぶん題名 24歳の新人教師での方が良いと思います…
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