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魔王の娘が勇者になって悪いか!  作者: さいきあやか
4/5

4.選択

追い込まれる少女…。

「兵士ども、もう動いてもいいぞ」

サイルがそうつぶやき

ルシフェリーナ達に指を指す。

「あの娘たちを殺せ」

その瞬間、一斉に魔族の兵士達が

ルシフェリーナ達へと襲いかかる。

「きゃぁぁぁあ!」

「ルーシー!!!!」

兵士達の止まぬ猛攻により

デラフィムの守りは

出続けてしまっている。

「くそ…!今助けて………」

起き上がろうとするデラフィムの

会話を切るように

目の前に現れるサイル。

「デラフィムよ…

ガキの心配なんて

している場合か…?」

サイルに再び

蹴り飛ばされるデラフィム。

「ぐがあ…!」

「弱いな…本当に。反吐が出る。

デラフィムよ。

封をした状態のお前など、もはや

この私の足元にも及ばない…。」

そう言って

何も無い空間から炎とともに

剣を引き抜くサイル。

「さあ今こそ

娘に見切りをつけ。封を解け。

さすればあなた様の力は戻り

あなた様は簡単に私達を殺せる。

あなた様は助かる…」

そう言いながら

倒れ込んでいるデラフィムの

頭の近くまで歩み寄り

見下ろすサイル。


「それとも…ガキぃ……

お前が自害して

愛しのお父様を助けるか…?」


途端に血走った目で振り返り。

ルシフェリーナを睨みつけるサイル。


「耳を…かすな…!ルーシー!」

必死にデラフィムが

ルシフェリーナにそう叫ぶ。

と、その瞬間

うつ伏せに倒れ込むデラフィムの頭を

サイルが踏みつけ

デラフィムの首元めがけて

剣を振り下ろす。

ズシャ…

「やれやれ…これで少しは静かになる…」

「ごふぉ…」

血を吐き散らすデラフィム。

「…耳障りなんだよ…」

サイルの剣がデラフィムの首の後ろから

喉へと突き刺さり。デラフィムの声を奪った。

その剣は地面に突き刺さり

デラフィムは身動きも取れない。

「曲がりなりにも元は力ある魔王か…。

この程度で死ねないのも

いや…むごいものだなぁ…」

ニヤリと笑い

サイルはその姿のデラフィムの背に腰掛ける。

「父上ええええ!!!」

守りの中からかすかに見えるデラフィムの姿に

ルシフェリーナは泣きながら叫んだ。

そんなルシフェリーナに対し

サイルは歪んだ笑顔でこう続ける。

「母親だけでなく…

お前は…父親まで殺すのか?」

「え…?」

「んー…?なんだ…お前…

…お嬢様は何も知らないのか…?」

呆れたように鼻で笑うサイル。

そして、こう続けた

「お前の母、魔王ゼラは

まさしく最強の魔王だった…。

当時、七人の魔王で束になっても

勝てない程の強さだったからな。

が…そんな奴にも…弱点があった…

…ガキぃ…わかるか…??」

ルシフェリーナは自分の知らない

見たこともない母の話を

ただただ聞かされながら。

返事も反応もできずに困惑している。


「それは…出産だ…」

サイルは途端に冷たい目になり。

無表情になる。

「一人目…二人目と…

奴が子を産む日々の中で…。

俺は気がついた…。

子を産む前後に

奴の力が、ただの人間程度に

一定期間落ちていることに。」

ゼラフィムに腰掛けたまま

足を組み出すサイル。

「まあ、賭けだったがな…。

でもそれは当たっていた。

お前を産んだ直後

アイツは俺の手によって

あっけなく殺された。

本当に、あっけなかったなあ…。」

そんな会話の中で

ゼラフィムが起き上がろうと

必死に暴れようとするも

サイルは倒れ込む

ゼラフィムの背で立ち上がり。

何度もゼラフィムを踏みつけた。

「つまりは…!お前が!産まれたせいで…!

お前の!母親は!死んだんだ!

お前さえ!産まれてこなければ…!

お前の母は!死ななかった!

そして今!まさに…!

お前が!生きるために!

お前の!父が死のうとしてる!

お前は!また!親を殺すのか!」

冷たい声でサイルが

ルシフェリーナに言い放つ。


最愛の父は。

今まさに眼の前で殺されかけ。

ボロボロになり。

友は自分の腕の中で

意識を失い眠ったまま。

兵士達の攻撃が止むこともなく。

母のそんな話を聞かされた

ルシフェリーナの頭の中は

もはや恐怖と混乱であふれかえり。

ただただ

涙を出すことしかできなかった。

その姿を愛おしそうに

うっとりと見つめるサイル。

「さあ選べ…ガキぃ…。

このままお前の父親がやられても

どのみちお前は守りの効果を失い

兵士達に殺される。

その前にお前が自害すれば

お前の父はきっと助かるぞ。」

涙の中、思考すらも奪われ

微動だにしないルシフェリーナ。

それに対し。

楽しそうに笑みをうかべ

腹の底から声を出すサイル。

「さあ…今こそ選択の時間だ…。

好きな方を選べ。くそガキ。」

どうもーさいきあやかです!


いやー…なんだか

開始早々ドロドロと

我ながらひどい話ですが…。

そんな話の中、読んでいただけている事を

心より感謝させてもらっています!


読んでいただきありがとうございます!

また、ちょこちょこと

話をあげていきたいと思っているので…

今後とも、よろしくお願いいたします!

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