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1129  作者: 小弁慶
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苦い記憶

捕まってしまった俺は必死に弁明した。


「こんなの何かの間違いですよ。僕はやってません。」


しかし、警察は取りあってくれない。


なぜなら陽性反応が出たという変えられない事実


があるからだ。


数分歩くと警察署に着いた。捜査も早々に


終わってしまい、僕は牢屋に入れられること


なってしまった。


「うわーー入りたくないーーーー」


必死の抵抗も虚しく牢屋に入れられた。


「とりあえず懲役は3年以下だから。あと、

囚人番号を決めなければいけないなあ。」


警察官は俺に言った。


「お前は1129番目の囚人だから1129番で決定だ。」


1129!! 俺はその数字を聞いて忌々しい


記憶を思い出した。


それは小学校の時だった。小学生という年頃も


あり、クラスでは戦隊ものが流行っていた。


ある日、戦隊たちが番号でお互いを呼ぶ回があった。


翌週の月曜、男子たちはそれに憧れて番号でお互いを呼ぶようにし始めた。


番号は4桁で2桁を自分の特徴ある番号、残りの2桁を出席番号にしていた。


自分の特徴ある番号とは例えばその当時


頭がいいやつは"いい"にちなんで11という番号をつけたり


また、バカなやつはトランプの9と6の違いが分からないので96などの番号をつけた。


俺は出席番号が一番だったので00にして


0001にした。理由は始原の番号ぽくって


カッコイイからだ。


みんなが自分の好きな数字をつけられたので


その時は特に問題はなかった。


(そうその時までは…………)


1ヶ月経った頃、ある奴がこう言いだした。


「飽きてきたから番号変えようぜ。」


この一言にみんなは賛同した。


その時、番号の変更のルールも決まった。


第1、変更者はジャンケンで負けた1人


第2、最後まで勝ち抜いた人が名前を決められる


第3、その名前を変更することは出来ない


この時の俺はこのルールに何の危機感も抱いて


いなかった。何故ならば、40人いるクラス


の中で負け残るわけないと思っていたからだ。


そして、次の月の初日の放課後 ジャンケンは


始まった。ルール決定の時の思いとは裏腹に


俺は面白いように負けていく。まるで、


神様が俺を負けたがらせがっているように。


とうとう俺は最後の負け残り1人になってしまった。


番号変更の時 また、とある誰かが言った。


「こいつ太っているから29(にく)はどうよ」


衝撃の一言だった。俺は反論しようと


口を開きかけたがもう遅かった。


クラスのみんなは大爆笑。俺にひどいと思っているやつはいないどころか考えたやつを英雄扱い

していた。


「よし、それに11(いい)をつけて1129(いいにく)


の完成だ。」誰かがそんなことを言うと


またクラスは笑いで湧き返る。


そんなこんなで俺は1129になった。


それからの生活はひどいもので会うたびに


1129と言われ、からかわれる。そのようなことがあったから20年弱たった今でもこの数字は


トラウマなのだ。そんなことを思い返しながら


ふと、考えた。[いくら偶然でもあまりにも


おかしい。不思議なことが起きすぎだ。]


嫌な予感が俺の胸をざわつかせた。










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