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アルケミストメモリー  作者: 古亜
1/1

第1話:神能拡散

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それは或る日の夜の事だった

その日の空は雲に遮られ月を見ることさえできなかった

天にて無数の光が放たれるまでは


流れる雲を割いて無数の光が宙を舞い、大地に降り注いだ


その光景を見た1人の巫女はすぐさまその現象の意味を調べ王に進言した

「我らが王よ、急ぎ申し上げなければならないことがあるため、失礼を承知で夜分に参りました。」

「先程の天からの光のことであろう? 申してみよ。」

「はっ、その前に人払いを……」

「よかろう。」

王が軽く手で合図すると控えていた従者達は部屋の外へ出て行った

「では、聞こうか。」

「はい、では……王は神の持つ能をどれほどご存知でしょうか? 」

巫女は王に笑みを浮かべながら尋ねた

「神とは全知全能と言われておるのだぞ、全能を如何程知っているかなどと言う問いに返答するのはとても難儀なことだ。余が把握できている能などアリファナの砂漠の一粒の砂のようなものだ。何故そのような事を問う?」

「先程のあの光、あれは全て神の能……神能です。」

「どうゆう事だ?」

「あれ神の持つ能力そのもの、つまりあの光に当たったものはその能力をその身に宿します。」

「それは誠か?」

「ええ、されど神能とは人の身には余るもの、些か本来のものには劣ります。ただ、それでも神能とは強力なものです。ただの人では神能を持ったものには対処できないでしょう。なので、彼らを直ちに捕えるべきかと。」

「捕えてどうするのだ? 殺すのか?」

「いえ、こんな機会です、そのようなことは致しません。我々は只今隣国との戦争中です。

南及び北は問題無いようですが、西、主に東は、劣勢のようですね。」

「確かに……お世辞にも優勢と言えぬな。」

「ええ、ですから彼らを使うのです。彼らを一箇所に集め、研究すると同時に彼らに能力を使いこなせるようにさせ……」

「戦に使えるものは利用すると。」

「はい、内乱の鎮圧にも使えますよ。というわけで……」

「今から彼らを捕えてきます。」

「よかろう、兵を貸す。して、光がどこへ落ちたのか分かるのか?」

「全ては分かりかねますが、一部は観測しております。それだけでも充分な数です。」

王は一息の間の後告げた

「この件はお前に任せる。」

「はっ。では、行って参ります。」

巫女はその場から立ち去った



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1枚の黄色の紙と大きめの鞄を持った少女が森の中の道を歩いていた

「えっとー……このまままっすぐ……あっ、あれか!」

少女は遠くに見えた建物に向かって歩を進める

その建物の門の前に辿り着くと少女は今まで見たことの無い建造物に目を輝かせた

「これが……!」

「君!ここに何のようだ?」

建物に目を奪われていた少女に門番の男が詰め寄った

「え!? あ、あの、これを頂いたので!」

突然のことに慌てて手に持っていた紙を門番に見せた

「……おっと、これは失礼を。中の地図はお持ちですか?」

「あ、はい、大丈夫です。」


門を超えると目の前に聳え立つ建物の他にも、色々なものがあり、人も何人かいることに気付く

少女にとっては全てが新鮮なものだった

遠くの方に気を取られていると目の前になにかが飛び出して来た

「ふゃ!?」

「ねぇ、君見ない顔だね。新しい子?」

少女の前に唐突に現れた褐色肌の女性が尋ねてきた

「え?はい、さっき来たばかりですが……」

「じゃあ、所長ともまだ会ってない感じかな?」

「しょちょー?」

「よし! それならこのカレン・ビネスに任せなさい! 付いて来て!」

カレン・ビネスと名乗る女性は少女の手首を掴み強引に目の前の建物へと引っ張って行った

「え? えええ!?」



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カレンが所長室と書かれた扉をノックすると、中から男の声が聞こえた

「入り給え。」

所長(しょっちょー)、新しい子連れて来たよ。」

中に入ると年配の男性が椅子に座っていた

「君は……?ああ、ビネスか。新しい子とは……その子のことか。」

その男性は椅子から立ち上がり2人に近づいて来た

「ギルロア・フローツェリアです!よろしくお願いします!」

「そう硬くならなくていい、私は所長のケイロス・アルメリオだ。よろしく。」

ケイロスはそう言って手を差し出して来た

「えっと、よろしくお願いします。」

ギルロアはケイロスの手を握った

「ようこそ『アグネス特別研究所』へ。」

ケイロスは握手していた手を離すと机の引き出しから鍵を取り出しギルロアに渡した

「これは?」

「君の部屋の鍵だ。ビネス、案内してやりなさい。」

「はーい。」

「荷物の整理が終わったらこの建物の門から見て後ろ側にある建物に来なさい。」

「わかりました。」

「ギルちゃんいくよー。」

「え?は、はい!」



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宿舎の廊下を歩きながらギルロアとカレンが話していた

「……ギルちゃん、だめ?」

「いえ、さっきは急に言われてびっくりしただけですから。構いません。」

「そっか!じゃあ良かった!私のことはカレンでいいよ!」

「ギルちゃんってさぁ、人と話すの苦手?」

「まあ……今まで妹としか話したこと無くて……」

「親は?」

「お父さんとは喧嘩しかしたことないの、それも数回。お母さんと話したことはないかな。」

「フローツェリアってどこかで聞いた気がするんだけどなぁー。」

「有名……だからね……」

カレンは足を止めて、目の前の扉を指差した

「ここがギルちゃんの部屋だよ!」

「ここが……」

ケイロスから渡された鍵で扉を開き、2人は中に入った

「結構広いんだ……」

「トイレとか風呂とかはこっちで、あれがクローゼット、それがベッドだよ!」

カレンは指でそれぞれを指しながら説明した

「それぐらいはわかるかな……」

ギルロアは部屋を見渡した

「あれは?」

「テレビだよ。」

「ふーん……変なの。」

「食事は一階で食べれるからね、荷物置いて検査終わったら行こ!」

「わかりました。」

ギルロアは持っていた鞄を下ろし中身を整理し始めた

「え……? ギルちゃんそれって……」

ギルロアは手に持っていた金の延べ棒を見た

「これ?妹が家を出る前に持たせてくれたんです。『これがあれば何かあっても大丈夫だ』って。」

「いやいやいや! それ問題解決するやつじゃないから、むしろ問題起こしちゃうやつだから!」

「え、そうなんですか?」



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「これで検査は終了だ。結果は明日伝えるから今日は自由に過ごしているといい。」

ケイロスは出入り口まで見送った

「分かりました、それでは……」

「ギルちゃ〜ん!」

カレンが後ろからギルロアに飛びついた

「カレン!?」

「迎えに来たよ! ご飯食べに行こ!」

「え、ちょ……」

「もう終わったんでしょ?」

「ああ、もう終わったよ。」

「じゃあ行こう!」

またしてもカレンはギルロアの手首を掴みぐいぐい引っ張っていった


カレンはしばらく歩き、宿舎の中に入って扉を潜り足を止めた

「ここは……?」

たくさんの人が一緒に食事をしていた

「食堂だよ! 私たちのね! さぁ、こっち来てささっと食べ物貰おう!」

ギルロアはカレンに言われる通りに食事を貰い、席に着いた

「これは……」

「鹿の肉。」

「そう……なんだ……」

「好きじゃないの?」

「ううん、大丈夫。」

「それなら、問題な……」

「ビィーネェースゥー!!」

後ろの方から怒号が聞こえてきた

「え!?何!?」

「あー、フェレーヌのこと忘れてた。」

振り返るとカレンと全く同じ容貌の人がすぐそこまで迫ってきていた

その人はカレンの首根っこを掴んで持ち上げた

「人を縄で縛って密室に閉じ込めたことへの弁明を聞こうか?」

怒りの篭った声で女性はカレンに尋ねた

「いやー、よくでて来れましたね結構丁寧に縛ったんですけど。」

「おかげで、アダムさん達が気づいてくれるまで全く動けなかったよ!!」

「ほらさ、せっかくこんな力持ってんだから数ヶ月に1回ぐらいは他人になりきって生活すんのもいいかなって……」

「言いたいことはそれだけだな、よし。」

女性はカレンを持ち上げ振りかぶった

「落ち着こう、話せばわかる、まだ慌て……!!」

カレンが地面に叩きつけられることはなかった

「その辺にしておけ。」

男の人がカレンを掴んでいる腕を抑えていた

「アダム! 流石! 話せば分かる人!」

「やるなら外でやってこい。」

「ええー!!」

「ああ、うっかりしていました。周りへの迷惑を考えていなかった。」

女性はカレンを掴んだまま腕を下ろし、引き摺りながら外へ行こうとした

「待て! 待つんだ! 2人とも! 新人の目の前で暴力推奨と見られる行為はどうかと思うんだが! だが!!」

「「新人?」」

「ほらそこに。」

カレンは床に倒れているままギルロアの方を指差した

「ど、どうも……」

ギルロアは戸惑いながら軽く会釈した



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