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答えは質問を出した側が決めるのだ

時間が飛んで昼休み。


ここまで生き残るのが大変だった。

クラスの女子達からの呼び出しを避け、奇襲などもすべて受けきり、トイレもまず周りにいる女子達を締め落としてから利用するなどなど。

とってもスリリングな時間を過ごしていた。


およそ一時間以内で学校中に私が噂のイケメン転校生。桜木真君に告白されたことが知れ渡ったことによって全校の女子生徒が敵となっていた。

携帯で私が桜木君に告白されたときの映像が拡散されたらしい。

取ったやつ誰だ出て来い。

と昼休みになったのでそろそろ窓から(2階)から襲われる前に飛び降りようと思ったらそいつが現れた。


「あゆむさん!お昼一緒に食べましょう」


爽やかスゥマイルで私に話かけてくるイケメン転校生。

略してイケテン。

他の女子達もさすがに彼の前では攻勢に出ることは出来ないらしく舌打ちしてくる。


「いや、あの私はサッキーと一緒にお昼を」

「そのサッキーさんから伝言が」


となんかの手紙を渡してきた。

何々?


アユアユへ

菊池君とお昼食べに行ってきます。

何をとは言いませんが頑張れ。

上手くいったらダボォデェトなるものをやりましょう。

何がとは言いませんが頑張って。

イケメンだよ。もう絶対こんな機会来ないよ!イケメンだよ!

イケメン絶対逃がすなよとは言いませんが頑張って。


あなたの親友サッキーより


P.S.

顔って大事だよ。イケメンだよ。


私はその手紙を力一杯窓の外へ放り投げた。


「イケメンってことしか書いてないじゃないかー!!!!」


そして許すまじ菊池。


「自分の顔がイケメンで良かったです。ということで一緒にお昼食べましょう」


転校生は意外と自信家だった!

そして押しが強い!


「はい...」


サッキーに見捨てられた私は大人しくついていくことにした。

そして


「何故に屋上?」


屋上に連れて来られた。

確か屋上って立ち入り禁止だったはずでそもそも鍵がないと入れないはずじゃ?

いや、まぁ他の場所で食べてたら間違いなく他の女子に私が襲撃されるイベントになっていたとは思うのですが。


「私の父がここの校長と懇意でしてね。いろいろと優遇してくれるのですよ。ええ、いろいろと」


汚い大人の事情がそこにはあった。


「え、ていうかあんたの親父さんってそんなに偉い人なの?」

「桜木ブランドはご存知で?」

「えっと、あのアクセサリーとかで有名な?」


桜木ブランド

大手アクセサリーのチェーン店だったっけ?

確かサッキーが雑誌に載ってたのを菊池君におねだりしていた記憶がある。私の分まで。


「はい、私の父はそこの社長、私御曹司、みたいな?」

「みたいなっておい!え!なんでこんな学校来てるの!?」


御曹司!?金持ち!?


「お金持ちってなんかその金持ちだらけの所にいってこう貧乏な頭の良い特待生を苛めるような学校に行くんじゃないの!?」

「酷く偏見的ですが別にうちは由緒正しい家柄ってわけでも無いですし、そもそもここを選んだのも家から近いからで」

「そんな理由でいいの!?」

「朝弱いので」


私のお金持ちのイメージが崩れていく。


「車で送迎とかじゃ」

「そんな、漫画じゃあるまいし歩いて来ますよ。そんな無駄なお金無いです」

「おい、最近誘拐されかけたヤツ」

「あはは」


誤魔化かされた...

なんだろうこの飄々とした感じは。疲れる...


「ところであゆむさん」

「やっぱり下の名前なんだ・・・」

「ではあゆむ」

「もっとフランクになった!?」

「先ほどの告白の返事を伺ってもよろしいでしょうか?」

「うぅえ!?」


考えてなかったよ。

そこまで考える余裕無かったよ。


「その、私まだ桜木君のことまだよく知らないし」

「真です」

「はい?」

「シンと呼んでください」

「いや、あの、ちょっと男の人の下の名前で呼ぶってかなり抵抗が、ていうかしたことないし」

「では、初めてということではい、せいの」

「いや、やらないから」

「シンって呼んでくれないとあなたがこの屋上に無断で一人で入ったって校長に言いますよ」

「おらぁ!」


ゴスッ

ドサッ


あ、やべ思わず腹パン決めちゃった!?


「ぐっ!だが私は謝らない!下の名前で呼んでもらえるまでは!!」


意外とタフだった。


「はぁ...分かった。じゃあシン君で」

「呼び捨てなどは?」

「もう一回殴るけどいい?」

「チッ、しょうがないか。じゃあとりあえずそれで」


大分コイツがふてぶてしいのだけは分かってきた。


「そういえばシン君はなんであんとき誘拐されそうだったの?」

「さぁ?お金目当てとかですかね?後はどっかの知らない女性の人とかですかね?」

「知らない女性?」

「いや、私顔は良いんでよく知らない女性に声かけられたり、さらわれそうになったり、無理やり押さえつけられたピーッされそうになったりすることがあるんで」


意外と重かった。

顔が良くてもいいことばっかりじゃないんだなぁ。


「大変だったんだね。でもそれならやっぱり車での送迎とかの方が良いんじゃない? 実際危険な目にあってるわけだし」

「一回...いや、まぁいろいろあって車は嫌なんですよ」

「うん?そうかー。じゃあボディガードとかは?」


何だろう?今の間は


「ボディガードっていうのもいろいろあってですね...いや待てよ。そうかそういうことも出来るのか」


何やら考え出した様子ていうか


「私大分濃いプライベートの内容聞いちゃってる気がするんだけどいいの?」

「ええ、将来の伴侶になる人には全部知っておいて欲しいですし」

「将来の伴侶!?」

「いけませんか?」

「心底不思議そうな顔で聞き返さないでよ!いけないよ!ていうか重いよ!」

「あなたに一目ぼれした時点でそれは決定事項として」

「決定事項!?」

「私と付き合って頂けますか?」

「このタイミングでまた告白!?」

「1.YES 2.結婚 3.私の所に永久就職、さぁどれですか?」

「どれも一緒というかどんどん悪化してる!?」

「オススメは選択肢4の1-3番全てです」


ジリジリとにじり寄ってくる転校生。

パニックになった私は。


「ふん!!」

「ギャフン!?」


とりあえず彼を殴り飛ばすことにした。


「フーッ、フーッ、そ、そういうのよく分かんないからー!!!」


私はその場を走って逃げ出した。

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