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出会いはバイオレンスの匂いがする

続いて1話投稿。

プロローグが短過ぎて200文字の規定を満たすのに少し足さなければいけなかった今日この頃。

とある高校の放課後、


「ねぇねぇ、アユアユだったらどんな男とだったら絶対付き合いたくない?」

「よし、彼氏いない歴年齢の私に対して彼氏持ちのあんたからの挑戦状と受け取った」

「違うから!世間話程度なのに指鳴らしながら近寄って来ないで!」

「サッキー。あたし達ずっ友だよね?なのになんで一人だけ幸せなの?許せない、許せないわ」

「怖い、怖いから!ギャー!!」


高校一年生になって恋人も作ってバラ色生活!

そんな器用なことが私、坂崎歩さかざきあゆむに出来るはずが無かった。

思えば子供の頃からときめくような男子に会うこともなくここまで来てしまった。

原因は分かってる。分かりきってるんだけどさ。

外見は問題無い...はず?いやイケてるよ。イケてるよあたし!

今をときめく和風美人って言われたもん!黙ってれば。

でもやっぱり原因は私の実家。

私の実家が空手道場でまず私自身が大抵の男より強いこと。

くっ、お父さんに言われて素直に鍛錬してた昔の私が憎い!

でも鍛錬のおかげでスタイルは保ててるから未だにやめられない!

お母さんに鍛錬って可愛くないし汗臭いから嫌だって言ったら


「あらそう?残念だけど仕方ないわね。人間外見じゃないって言うし丸いあなたを好きになってくれる人もいると思うわ。もちろんお父さんとお母さんはあなたがどんなにまんまるになって今の服が破けたりしても大好きよ!」


なんて恐ろしいことを言うんだママン。

お菓子は正義ジャスティス、やめられません。

しぶしぶ鍛錬を未だに続けている。

そしてもう一つの最大の原因が


「あゆむちゃんに彼氏が出来たらまずその彼に死ぬ覚悟があるかどうか聞いてみなさい。もしあると言ったらパパが確認してあげるから」


そりゃ筋肉マッチョのおっさんがこんなこと言ってたら周りの人間は近づけないもんね。

おかげで私に近寄る男子がいるわけもなく、枯れた高校生活を送っている。

そして私の目の前にいるのが


「私達、高校生活はずっと一人身でいようね!と誓い合った小学校の頃からの無二の親友。神埼咲かんざきさき通称サッキー」

「えっとね。誰に言ってるのかな?だから悪かったって!彼の方から告白してきてちょっといいなって」

「で今現在は?」

「めっちゃ幸せ!」

「許さん」

「ギャー!ベアーハッグはやめてー!!!」

「大好きだよサッキー」

「だから怖いって。痛い痛い痛い!!」


この裏切り者が。

私のことをアユアユと呼ぶ彼女、性格も良く傍目から見ても美人だから今まで彼氏いなかったのも変なんだけどさ。

小中と家が近いのもあってずっと一緒でお互い彼氏なんてチャラついたもんいらねー!とか言ってたのに。

高校になってとっととサッカー部のキャプテンなんつーキラキラしたもんと付き合いやがって。

家事も碌に出来ないのに急にサッカー部のマネージャーやりだすとか言うからおかしいと問い詰めたらあっさり暴露しやがった。

しかもバレてからは隠す気が無くなったのか、めっちゃ惚気る。


「許してアユアユ、彼私がいないと駄目なの!」

「私もサッキーがいないと駄目なの、ギュー」

「だからベアーハッグが!折れる!折れちゃう!!」


そしてマネージャーやりだしたり、彼氏出来たりして私と一緒に過ごす時間も減った。

許すまじ、菊池!(サッカー部キャプテン)


「ふー、今回は天国に逝ける勢いだったわ、さすがアユアユ」

「それでなんだっけ?どんな男とだったら付き合いたくないかだって?」

「そうそう、どんなん?」

「サッカー部のキャプテン」

「もうアユアユったら。彼はあげないぞ♪」


ちっ。皮肉も通じないリア充が。


「私もさ、アユアユ一人残して彼氏と遊びに行ったりして悪いと思ってんのよ。だからいい男でもいたら紹介してあげようかな?って」

「いい、どうせ男作ってもお父さんに殺される」

「あー、お父さん相変わらずなの」

「相変わらず。それにいいよそういうの。菊池はムカツクけどサッキーが幸せなのは嬉しいからさ。そん代わり悲しませたら坂崎家秘伝の技で闇に葬ってくれよう・・・」

「アユアユー!!!あんたええ子や!ええ子過ぎるやろ!!あたしが男だったら放って置かないのに!任せといて。必ずアユアユに見合う男捜してくるから!じゃね!」

「いやサッキー本当そういうのいいからねー!!!」


慌てて出て行ったから念を押したけどあれ聞いてねぇな。

どこ行ったんだろ?っていうか今日もあたし帰り一人か。

他に特に中が良い子がいるわけでもないから今現在ちょっとしたぼっち。

帰り道を一人で歩くのはやっぱり寂しいな...


「あーあ、やっぱ彼氏欲しいなぁ」


つい独り言を呟いてしまう。

むなしい。

そして私が独り身を噛み締めて歩いて帰ってたらなんか黒い車の前で揉みあっている黒服の男達と学生がいた。うちの制服、ってん?これ犯罪?


「オイ、とっとと押し込め、誰かに見られたら」

「誰か助けてー!」


犯罪かなやっぱり?

助けるか。


「助け要ります?」

「おい、なんだてめーは?引っ込んでろ!」

「助けて!お願いします!」


じゃあちょっとだけ本気だしますか。


~3分後~


うし、いっちょあがり!

良かった。武器とか持ってたらちょっとやばかったけど結果オーライ。

とりあえず助けた学生さんに声をかけよう。

よく見たら結構イケメン。でもこんな人うちの学校にいたっけ?


「そこのキミ大丈夫?」

「あっ、ハイ!ありがとうございました!もう警察も呼んでますんですぐ来ると思いますけど」

「あーじゃ、私もう行くわ。お父さんに外で暴力振るったのバレたら怖いから」

「あ、待って!あなたの名前と連絡先など頂けますか?後ほどお礼を」

「あー、そういうのいいよ。ま同じ学校っぽいしまた今度縁があったらってことで。じゃね」


危ないことするな!って怒られるの嫌だから警察とかにバレる前に早く逃げないと。

名前言ったら後で事情聞かれるかも知れないし。

お父さん怖い。


「同じ学校・・・僕の女神」

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