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ループの中には  作者: 明音翼
1/1

プロローグ

4月11日 自室


「うぅ…ん」

私はゆっくりと目を覚まし、体を起こした。

辺りを見渡す。

いつもと変わりない部屋だ。

今の時間は午前5時。いつもは7時前位に起きるぐらいなのだが、早く目覚めてしまったらしい。

どうしようかな…

きょろきょろと辺りを見渡す。

うーん、寝ようかな…?

もう一度ベッドに横たわった。

5分、10分経っても目は開いたまんま。

しょうがない、起きるか。

のそりとベットから降りて、1階のリビングへ向かった。


1階 リビング


「おはようー!今日は起きるの早いなぁ!」

「おはよう。朝食作ってるところだから待っててね」

入ってきた瞬間に父と母の元気そうな声が私に届いた。

「うーん…おはよう。」

まだ完全には起きていないのか、少しふらふらしながら椅子に座る。

まだ朝ごはんが出来ないので、少し私のことを話そうと思う。

私の名前は竹内幽衣子たけうちゆいこ

なんか幽霊みたいで怖い名前だと自覚している。

なりたての中学二年生で13歳。

8月に14歳になる。

家族は父、母、妹、私の4人。

妹の名前は竹内魅衣子たけうちみいこ

まだ小学5年生で、私の前だと甘えん坊だけど、他の人にはなかなか甘えられない子。

すごく可愛い妹だ。

「幽衣子。ご飯、出来たよ?食べないの?」

母の声でふっと我に帰る。

私の目の前には出来立ての朝食がならんでいた。

今日の朝食はトースト、オレンジジュース、目玉焼きにベーコン、サラダ。

こんなの大したことじゃないと思うけど、母の作ってくれる料理はとても美味しい。

「今日も美味しいね」

と素直に誉めると、

「それは良かった」

と、優しさを感じる柔らかい笑顔を返してくれた。


聖桜学園 通学路


「ふぁ…あ」

つい欠伸が出てしまった。

やっぱり、起きる前に二度寝すれば良かった…

そう思いつつ、通学路としていつも通る道を歩いていた。ふと、目をあげると、満開の桜が見えた。

今年も早く散ってしまうのかと思いきや、割と耐えてくれて、この道に植えてある桜すべてが散らなかった。

この道は通称「桜小道」と呼ばれていて、近所の人にも評判な道なのだ。

桜を見上げながら道を通っていると、不意に風が横を通り過ぎたような気がする。

ふわっと桜が舞う。と同時にちょっと肩にのし掛かる重さ。これはもしかして…

「桜かぁ、綺麗だねー!おはよう、幽衣子ちゃん!」

後ろを振り向くと半透明の人間。

そう、幽霊だ。




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