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「に」鴨のあたし

今日一日で二件も更新してしまった・・・。 まぁ相変わらず内容は薄々ですが、よろしければ・・・

◆1

 恋ってどんな感覚だっただろうか?まだ味わっていない未知の感覚に疑問を抱く。あたしに友達はたくさんいるけど、彼氏、というのは今まで一人も出来なかった。

 そんなあたしに、同じ部活の友達が「先輩が好きになっちゃって・・・どうしよう?」と迷える恋のお悩み相談をして来た。

 先輩どころか、恋というモノが解らないあたしは「何度も話掛ければ、いいんじゃない?」と適当に流してしまった。するとその子は「それが出来たら悩みももたねーよーぶーぶー」と親指を下に向けて頬を膨らませていた。

 あたしに恋なんて必要無い。あたしの彼氏はバスケだーっ!と叫びたいが、きっと何処かで焦っているのだろう。それはあたしの一番古くからいる友達も恋の悩みを相談して来た子と同じ様子を放っていたからだ。

 あたしの友達、愛はカメラが大好きでいつも携帯して何かある事に写真を撮る、という変人さんだ。あたしは愛がカメラを持って、希望をレンズの先に見つめる様な奇麗な表情を見るのが好きだった。

 だけど、最近愛は様子がおかしい。写真は相変わらずだけど、今までとは違う微笑み方をする様になっていた。


「うぁー・・・なんなんだーアレー」


 いっその事聞いてみようかな?なんて事も考えてみたけど、どうも嫌な予感しか脳裏には浮かばず、聞く事に躊躇している。

 愛も『恋』というのに隷属となってしまったのかなぁと不安ばかりが積もり、バスケが彼氏だと断言してるあたしもさすがに頭を抱える。まず落ちこぼれなのに。

 布団のシーツがめちゃくちゃになるのを毛頭も気にせず、体を左右にゴロゴロ動かす。最近、いろんな事に怠惰になって鈍重になっている様な気がする。


「愛も・・・好きな子出来たとしたら、誰なんだ?」


 今まで愛が男子と話している場面なんて見た事があっただろうか?愛は可愛いから、男子には人気あるかもだけど、愛自身が興味を持ちそうな男子なんていたか?それは失礼か。

 そんなどうでもいい事も考えてしまい、益々「うああああああ!」転がる速度が増した。何に煩悶してんだあたし。

 もう何に煩悶していて、何に戦々恐々としているのか、自分で自分が理解出来なくなって来た。脳内が混雑して屈託するばかり。

 重りが中に入ってるんじゃないだろうか、という位頭が重くなって行くのが肌を重ねて理解出来た。「ばたんきゅー」辛うじて起き上がった上半身は重みに負け、再びベッドへどーん。


「んぁーどうなってしまったんだーどいつもコイツもー!」


 最近あたし一人言増えたなぁと益々軽い失望する様な事実に遅れて気が付く。視点が朦朧とし、視界が霞見だす。部屋の天井に点いてる淡い光は波紋の様にぼやけて横に長くなったり縦に長くなったり。

 自然と下がって行く瞼が徐々に漆黒の夜を迎えさせる。その瞬間に携帯電話が痙攣しながら音を響かせた。

 耳元で轟き、一瞬で瞼を見開き「うぉいぃ!」と意味不明な声が零れた。光が点滅している携帯を持ち、天井に向けて上に上げながら画面を開く。時刻は二十三時を回っていた。

 突然の急襲に多少の苛立ちを覚えながら、「なんだょ」と嫌味を吐く。エアコンから放出されている冷気に空気が交わり、冷えた空気に囁いた声はエアコンの冷気の風でどこかへ飛んで消えた。

 メールの相手はあの恋に悩める子羊だった。あーなんだよノロケか?いや、ノロケじゃないか。


『今日、先輩と目が合った! あーもうマジヤバイ! もう辛いわー』

「は?」


 内容の下らなさに呆れて声が漏れた。再び瞼が重力を呼び、いい程度に眠気を伴う。返信は・・・しなくていいや。 

 「ぽいー」携帯を枕元へ投げ、照明を落とし闇に包まれた。明日は、愛に写真でも撮って貰おう。


 あ、それいつもだったわ。    「さん」に続く。





二話終了です。 百合っぽさも無かったけど、鴨視点はまた別な感じでみてくれれば嬉しいです。

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