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遠雷の魔王人生を生きる  作者: 宅間晋作
第四章 妖天竜祭編
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パーティ対戦終了

「皆無事か?」


 カリュゲドゥスは背後を振り返り仲間達の安否を確認した。


「うん。 大丈夫だよ? カリュー君」


 ウェイラがカリュゲドゥスに近づいて手を取り笑った。


「はぁ。 命を拾った感じだなぁ」


 ベリッタに回復魔法を掛けて治療を受けたゼギがカリュゲドゥスに声を掛ける。


「無事か? ゼギ」


 カリュゲドゥスはゼギの安否を確認する。


「マジで助かったわ」


 ゼギがカリュゲドゥスの言葉に反応して笑った。


「本当に良かった?」


 カリュゲドゥスがゴルグレイの体を見てみるとゴルグレイの全身から闇が溢れていた。


「あ、やばい」


 なんとゴルグレイが立ち上がりカリュゲドゥスをぶん殴った。


「ごげぶへ?」


 カリュゲドゥスは無様に地面を転がった。


「カリュー君!!」


 ウェイラがカリュゲドゥスの駆け寄って回復魔法を掛ける。


「うぉぉぉぉ!」


 スタリニナがもう一度ゴルグレイの両腕を斬り落とそうとするが刃が全く刺さらなかった。


「う、嘘!?」


 スタリニナの顔が驚愕に染まる。


「オデサマが最強!」


 もうすでにゴルグレイに意識というものは存在していなかった。


 ただ敵を、己以外の全てを蹂躙する兵器へと存在が変質していた。


「オデ、オデででサマ!!」


 そう言いながら黒い腕を背中から生やしてスタリニナを殴り飛ばした。


「がはぁ!」


 スタリニナが地面を転がって吐血して消滅した。


「なんだよ!? 倒したじゃねーか!?」


 ゼギが頭を抱えてゴルグレイを見る。


「ふふあはふふあがぁぁぁ」


 全身が黒く染まり、目が赤く染まる。

もうゴルグレイはこの世の生物とは違う何かになっていた。


「もう勘弁しろよ!?」


 ゼギは泣いていた。

 既に生徒会長は消滅し、頼みの綱のカリュゲドゥスは倒れた。

 もう心が折れていた。


「に、逃げようゼギ!」


 ベリッタがゼギの名前を呼ぶ。

 だがゼギは反応できなかった。

「ち、ちくしょう!」


 ゼギは逃げた目の前の化け物を相手にしていられなかった。


「オデ、オデデデデサマ!?」


 するとゴルグレイがゼギの頭を掴む。


「ぐぁ!?」


 ゼギの頭蓋が卵のように割れそうになったその時だ。


「おらよ!」


 ゴルグレイの増えた腕がまとめて斬り落とされた。


「あっ?」


「トルム・フォルスだ。 死んでいけ」


「オデ様!!」


 トルムを認識した瞬間にトルムを殺さんとゴルグレイが迫る。


「死ね」


 そう言った後、ゴルグレイの首は吹き飛んでゴルグレイは死んだ。




「大丈夫か?」


 トルムはゼギに声を掛けた。


「ああなんとかな」


「カリュゲドゥスは?」


「あそこで眠ってる」


「カリュー君!!」


 ウェイラが名前を呼んでもカリュゲドゥスは目を覚さない。


「おいウェイラどうした?」


 トルムがウェイラとカリュゲドゥスに声を掛ける。


「と、トルム! 無事だったんだね良かったぁ。 それと大変なの! カリュー君が目を覚さないの!」


「普通気絶したら消滅するはずなんだがなぁ? なんで消えてねぇんだ?」


 トルムがふと疑問に思った事を口に出していた。


「……確かに」


 ウェイラがトルムの言葉に頷いた。


「もしかしてこいつ眠ってるだけなんじゃ」


「いやそれはないでしょ」


 そう言いながらベリッタに肩を貸してもらいながらゼギが歩いて来た。

 ベリッタはゼギの言葉に呆れていた。


「じゃあ一体何が原因なの?」


「分からねぇ」


 トルムがそう言って首を振った。


「私カリュー君を看病するこの大会の時間切れまで」


「じゃあ俺らはお前らの事守るわそれでいいよなゼギ?」


「しょうがねぇ俺達の間で決着つけたかったんだけどなぁしょうがねぇか。 ベリッタもそれでいいか?」


「ゼギがそう言うのなら」


 ベリッタはゼギの言葉に頷いた。


「じゃあそれで」


 こうしてウェイラ達はカリュゲドゥスが目覚めない理由が分からぬままに戦いの時間が切れるまでカリュゲドゥスの看病をし続けた。

 

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