強襲する悪意
「おいおい冗談よせよ?」
ゼギは軽口を叩きながらも冷や汗を掻いていた。
「俺様がここまで来るのに三百は倒したぞ?」
「まじか」
ゴルグレイの発言にゼギは脱帽した。
この戦いに三大学院それぞれ六百が三校つまり千八百人がこの戦いに挑んでいるのに一つの学院の半数をこの男は倒したと言うことになる。
ゼギはまだ二、三人しか倒していない。
「ふむ? こねぇのかよ? まっいっか」
ゴルグレイがそう言うとゼギの目の前にいた。
「ちょっと待てえーい!」
「私のゼギに触れるなぁ!」
ゴルグレイがゼギの顔面を殴ろうとしたその時だ水色髪とピンクの髪が視界を覆う。
「スタリニナ生徒会長! ベリッタ!」
「やっほーゼギ君。 この私スタリニナ・ツェルンが来たからには安心して! あんな奴ぶっ飛ばすから!」
「ていうーかあのおっさん誰? 私知らないんだけど」
「戦士ゴルグレイだとよ」
ゼギは剣を構える。
「そうか。 腕がなるね!」
そう言ってスタリニナが斧を構える。
「私も頑張るから」
そう言ってベリッタも杖を構えた。
「おもしれぇなぁ」
そう言ってゴルグレイの体から黒い魔力が溢れた。
「さて頑張るか」
ゼギは死地で笑った。
「うおおぉぉぉ!?」
一方その頃カリュゲドゥスは絶賛ロシュリア学都の集団に追われていた。
「いたぞ! 倒せ!」
「「「うぉぉぉぉぉ!!」」」
「集団ってこんな怖いものだったか!?」
カリュゲドゥスは逃げながら雷魔法で反撃しつつ、逃げているが数がやはり多い。
五十人の団体様を相手に蹂躙するには体力が必要だ。
しかしカリュゲドゥス的にはあまり妖天竜祭最初から魔力をたくさん使う訳にはいかないそれと脱落もしたくない。
だからこそカリュゲドゥスは逃げの一手を使う。
「はぁはぁよかった! カリュー君がいた! みんなお願い!」
「よっしゃ! やったるで!」
「俺に任せろ!」
「あたしに任せて! ウェイラ!」
「トムド! ビキバガ! ユターブ! ゴジュ!」
「ラトニヤです!」
すると安堵する声が聞こえて来て背後を振り返ると勇士の剣の仲間達がロシュリア学都のメンツを蹂躙していった。
「やった! カリュー君に会えた!」
そう言ってウェイラがカリュゲドゥスの胸に飛び込んで来た。
「うおっ!? ウェイラ皆無事だったか!?」
カリュゲドゥスは仲間達との再会を喜んだ。
「まぁな」
そう言ってトルムが笑う。
「皆どうしてここに?」
「リクテン先輩が助けてくれたんだ」
そう言ってウェイラが笑う。
「そうかそれはよかっ」
カリュゲドゥスがそう言った時だ。
森が大きく揺れて大地が爆ぜて森が抉れる。
するとリティー、ロッド、ブリュズ、ラーシャが地面に転がって消滅した。
「はぁはぁ。 何!?」
ウェイラが肩で息をしながらカリュゲドゥスとトルムを守るようにシルガを展開していた。
「素晴らしいですよ? ウェイラティルカ。 私の魔法を防ぐとはやりますね」
目の前に執事服にメガネをした男が立ち塞がっていた。
「私はアザイア軍のレブロン。 よろしくお願いしますね?」
そう言ってレブロンはお辞儀をした。