呪詛魔力
「泣く気はなかった!! 泣く気はなかった!! うぅぅ」
「はいはい。 ワガハイ達はちゃんとお前を分かっているから。 よしよし」
カリュゲドゥスは恥も捨てて子供のように泣いた事があまりにも恥ずかしくてその場で体育座りをしてうずくまった。
そんなカリュゲドゥスの頭をライテナがよしよしと撫でている。
体が十五の子供なのでとても恥ずかしいがどこか
嬉しく温かい気持ちになってその手を跳ね除ける事が出来なかった。
「ほら、ちゃんと顔を上げて笑う。 ほら」
ライテナが無理やりカリュゲドゥスの頭を上に向けてカリュゲドゥスの顔を見て微笑んだ。
「い、嫌だ!! 我はもう子供じゃない!! 百年生きた立派な大人だ!!」
もう魔王の威厳とかそんなのは根こそぎなくなっていた。
カリュゲドゥスはすっかりライテナとレギウスの
前ではすっかり七歳の子供レベルにまで思考と精神が幼児退化してしまっていた。
「はっはは。 カリュゲドゥス。 これからヴァデギーユを救うんだろう? ここで子供のように駄々をこねても無駄じゃないのかい?」
「う、うぅぅぅ」
完全に子供扱いである。
魔法も拳も言葉も何もかもがこの二人には通じない。
赤子の手を捻るようにロウツ兄妹はカリュゲドゥスの精神という体力をゴリゴリ削っていった。
「ふぅ。 まぁからかうのはこの辺にしておいて話がある」
レギウスがパンと手を叩くとカリュゲドゥスの気持ちが切り替わった。
思考も安定して遠雷の魔王らしい思考を取り戻した。
「まず俺達がここにいる理由だがお前に魔力をやる為だ」
「魔力?」
カリュゲドゥスは首をかしげた。
「いいかい? 大体魔力って言うのは生物の全てに含まれている。 そして一番魔力が多いのが心臓と魂だ」
「ほほう」
「悪魔達や闇の魔力を持つ奴らは特にこの二つが好物でな。 俺達はの場合は襲撃者であるあの男を倒してくれたお陰でこうやって魂として生存できている」
「そうか」
カリュゲドゥスは誇らしく思った。
あの村を襲撃した男をぶちのめした事は間違いではないと心から嬉しくなった。
「死んだ俺達は女神アルミアと出会ってに尋ねられた。 転生するか。 それとも無機物に宿ったり、他者の魂の糧になるか」
「嫌だ!! 聞きたくない!!」
その言葉を聞いてカリュゲドゥスは恐怖を覚えた。
話の続きを聞きたくなかった。
聞いてしまえば何かが壊れる気がしたから。
カリュゲドゥスは耳を塞いだ。
「結論から言う。 魔力属性の一つ呪詛魔力は元の魂に他の魂を糧にして生まれた転生体の事だ」
「つ!!」
「糧にされた魂は二度と転生は出来ない。 そしてお前は魔族戦争で死んだ全ての魂を糧にして生まれた存在だ」
「……」
カリュゲドゥスは声を失った。
なんだそれはアザイアとやってる事が一緒ではないか。
自身が醜い存在に感じた。
今すぐに自身の命を奪ってしまいたかった。
「勘違いをするな。 カリュゲドゥス」
「な……に……が?」
「俺達はお前に全てを賭けている」
「そうだ。 ワガハイ達はお前が勝つと信じている」
「それと一人合わせたい人がいる」
すると一人の女性が現れた。
「久しぶりね。 カリュゲドゥス」
「……リーリフ」
それは勇者一行の魔法使いだった。




