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またいつか。
翌年の春。
春といっても、まだ寒さは残ったそんな時期。少年と少女は顔を見合わせ、お互いの姿を確認する。
「大丈夫?忘れ物ない?」
「さっき確認したから大丈夫だよ」
スーツケースを片手に、銀髪の少年は少女に微笑む。心配そうな表情で少年を見守る彼女は、まるで母親のようだった。
お世話になった人々の挨拶はすでに済ませていたため、最後はルナに言葉をかける。
「じゃあ、またいつか。」
「…うん、またいつか。」
約束を果たすその時まで、二人はしばしの別れを告げる。いつかまた会えることを信じて。
「いってきます」
旅立ちの言葉を最後に伝えて、ミツルは歩き出す。願わくばその旅路が上手くいくよう、ルナは祈りを捧げた。
これにて1章本編完結です。
次回、11/23 22:00更新です。




