表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/18

つり

 家には沢山の使用人が居る。執事やメイドに料理人、庭師やその他の雑用をこなす召使いの下男下女。


 誰もが俺の言いなりなのだ……ある一人のメイド以外は。

 俺はこの家当主の息子、少しポッチャリした15歳。

 ここに居る使用人は俺の思うがまま……ある一人のメイド以外は。



 今日も俺は釣りをしている。

 昨日は自室の窓から、今日は二階の渡り廊下の上から糸を垂らしてる。


 屋敷は陸地、そして下に池が有ったり川が流れている訳ではない。

 それでも不思議と人並みの大物が釣れるのだ。


 白い絹糸の先には少し鈍い光を放つ小銀貨が一枚。

 そう、この餌でメイドが釣れる。


 この小銀貨が曲者で糸を結ぶのに毎朝苦労させられる。なにせ薄く小さく丸く引っ掛かりが無いのだ。


 糸を垂らす場所は毎日変えてるし、餌はメイド達の頭の少し上ほどの高さ。

 気付き難い筈なんだが、それでもメイド達の食い付きは良い……ある一人を除いては。


 そして釣れたメイドは自室にお持ち帰りが御約束。

 当然メイドの方もその事は承知の上で餌に食い付いてくれている。

 魚とは違いここで餌の食い逃げは許されない、と言うか俺が許さない。



 今日はどんなメイドが釣れるやらワクワクしながらその時を待つ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ