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第5章 第7話 復讐の続き

「師匠!」



 僕と光華さんは尋問室を出た後旧剣道部部室へと戻る。



「……なんで帰ってきたの」



 そこにいたのは20人近い面を被った生徒たち。その中のどこかから師匠の声が漏れた。



「わからないのか? 朝陽は君たちのためを思って復讐部を解散したということを」



 そして千鳥さんの声もどこかから届く。ターゲットは2人とも揃っているようだ。



「僕たちのためを思って? それなら安心だ。僕たちは僕たちのためにここに戻ってきた」

「私たちは朝陽さんと共にいたい。ですが宗吾くんは剣道部を、私は生徒会を辞めるつもりはありません。だから困るんですよ、こんな気持ちの悪いお面をつけて危険なことをする団体にいられたら」



 僕は竹刀を。光華さんは玩具の剣を抜き、突きつける。誰かもわからない面たちに。



「勝手に僕たちを捨てようとした師匠を許さない」

「そんな朝陽さんをたぶらかした千鳥さんを許しません」



 そして構える。戦うために。



「「だからあなたたちに復讐する!」」



 そしてまずは目の前にいる面を着けた生徒の顔に剣を叩きつける。すると面が崩れ、素顔を晒した生徒は床に倒れた。



「仮装パーティーならそっちで勝手に楽しんでくれよ」

「私たちは復讐部です。こんな面は必要ありません」



 そしてどんどん面を破り進んでいく。奥から聞こえた声に向かって。



「何をやっている! 多少強引な手を使ってもいい! 奴らを止めるんだ!」

「で、ですが……あの男、とんでもなく強い! 女の方も一切加減する様子が見られません! 止めるには全力でやるしか……がぁっ!?」



 千鳥さんと話していた人の面も割る。これはただ単に復讐したいからというわけではない。月見台さんの話では、この中に生徒会のスパイがいるはずだ。面を被られてちゃ誰がそれかもわからない。だから全員壊す必要がある。



「どうやら覚悟は!」

「私たちの方が上のようですね」



 2人を倒し、残り2人。狐の面を被った女子生徒と、天狗の面を被った男子生徒。この2人が師匠と千鳥さんだろう。



「宗吾……光華。あなたたちはそれでいいの? 私たちが一緒にいたら、いずれ退学になるかもしれない。それでも……」

「退学にならなきゃいいだけの話でしょ」

「私は私の正義を貫くだけです」



 狐の面が、少し笑ったような気がした。



「ごめん、雷切。復讐部はまだ終わってないみたい」

「何を言っている! 復讐部は終わったんだ! 俺たちの青春は消え失せてどこにもない! 俺たちにできることは、その青春を奪った奴に復讐することだけだろう!」

「青春が終わったってのは同意だよ。もうあの日々は戻ってこない。それを奪った奴らに復讐したいって気持ちもわからなくもない。でも私は違う方法で、師匠に報いたい」



 狐の面が外れ、中から出てくる。死んだ目を輝かせる師匠の顔が。



「私は私たちの青春の居場所を守る――!」



 そしてその狐の面に隠れた拳で、天狗の面を砕く。



「が、ぁ……!」



 そして残ったのは、復讐の面が砕かれ素顔を晒して倒れる人々のみ。



「帰ろっか。私たちの居場所に」

「は~い、そこまでですよ~」



 師匠の言葉に少し遅れ、呑気な声が部室に響く。



「面を着けた人が復讐部残党ってことは調べがついてま~す。もう逃げられませんよ~って、あれ?」



 僕たちの後を追ってきたのだろう。月見台さんが部室に入ってきたが、誰も面を被っていない。というかほとんど倒れている現状を見て首を傾げる。



「副会長~? なにやってるんですか~?」

「ココハドコ……? ワタシハダレ……?」



 そして入口の近くで倒れていた男子生徒に声をかけると、その人は素っ頓狂な声を出した。どうやら一時的に記憶喪失になっているようだ。……え? ほんとに一時的?



「ま~いいや~。どうやら面を被った人はいないようなので。ここには復讐部はいない、ってことにしておきましょ~」



 本当に心底どうでもよさそうにそう言うと、月見台さんは入口を開けてきた。



「ごくろうさまでーす」

「後でお話させてください……」



 それに促されるように師匠と光華さんが通り抜けて外に出ていく。そして僕も――。



「……何のつもりだよ、月見台さん」

「何のつもりって~?」


「殺気。すごいんだけど。君、寺久保さんよりだいぶ強いだろ」

「まさか~。ルナは~か弱い女の子だよ~?」


「……そういうことにしとくよ」

「ただ――」



 月見台さんの横を通り抜けるその時。彼女は懐から白いネクタイを取り出した。通常の制服は赤。生徒会は黒。そして白は……。



「……生徒総会」

「言ったでしょ~? 宗吾くんとは仲良くしたいって」



 それ以上話すつもりはないのか、月見台さんはネクタイをしまってひらひらと手を振る。



「……こちらこそ。どうぞお手柔らかに」

「は~い」



 そして僕は、師匠が先導する道を進んだ。

少し長編でしたが、これにて完結です! 次回からはジャンルを思い出したように恋愛編! もちろん復讐も忘れずに……。


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