第5章 第1話 襲撃
僕と師匠と光華さん。3人での復讐部活動もだいぶ日常と化していた。
「花粉やば……死ぬ……死にそうなんだけど……」
「いつも思いますが、花粉症の方は大袈裟なのではないですか? 風邪ではないのでしょう?」
「あ、こいつ喧嘩売った! 全国の花粉症に苦しむかわいそうな善良な人々に喧嘩売ったよ! あのね、花粉症ってのは風邪なんかよりもよっぽど邪悪な……」
「心頭滅却すれば火もまた……くちゅん。あれ……まさか……」
「ざっまぁぁぁぁぁぁぁぁっ! お前も花粉に一生苦しむ人生決定っ! ほらティッシュ箱でやるよっ!」
「人は花粉の許容上限を超えた場合花粉症になると聞きます……。私朝陽さんのようなおばさんではないのに……」
「てめぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「な、なんですか……!?」
師匠が馬鹿なことを言い、光華さんがさらに馬鹿なことを言い、僕がそれに適当に相槌を打つという日常。生産性はないし退屈といえば退屈な日常だ。それでも不思議と悪い気はしない。
「じゃあ今日も依頼人来ないみたいなんで剣道部の方行きます」
「ん。言っとくけど防具つけたらシャワー浴びない限り帰ってきちゃだめだかんね! 腐った納豆みたいな臭いするんだから!」
「わかってますよ。光華さんは生徒会は?」
「今日はなぜかお休みを言い渡されてるので暇人です」
「クビになったんじゃないの? 毎日ここに入り浸ってるから」
「そんな! 私は真剣に生徒会活動に取り組んでいますっ!」
「制服改造しといて何言ってんだか」
「それはそれ! これはこれです!」
この合わない2人を放置するのもあれだけど……まぁ大丈夫だろう。
「じゃあ……」
「宗吾ストップ」
今度こそ出ていこうとすると、師匠がいつになく真剣な顔で僕を止めてきた。そしてソファーに立ち孫の手で天井にある取っ手を掴むと、引き下ろして階段を作り出した。
「屋根裏部屋とかあったんだ……でもなんでですか?」
「屋上に人感センサー設置してんの。で、人が来た。たくさんね」
「依頼人ではないのですか?」
「可能性としてなくはないけど、たぶん違う」
そう短く言うと師匠は電気を消し、急いで階段を上っていく。
「ほら2人も早く!」
「わかりま……」
「僕先行くから!」
スカートなのにもかかわらず先導しようとした光華さんを止め、屋根裏部屋へと上がる。そしてすぐに光華さんも上がり、階段を引き上げた。
「なんでこんな場所が……」
ただ板が敷いてあるだけの屋根裏部屋に到着すると、師匠は覗き穴が開いている箇所に僕たちを誘導する。
「なるべく動かないでね。本当に、やばいかもしれ……」
「すいませーん。ちょっといいですかー?」
師匠が話していると、部室の外から男性の声が聞こえた。
「開けていただけないのなら強行突入しますよー?」
強行……突入……? 一体……誰が……!
「突入っ!」
そして男性の声と共に、7人の生徒が勢いよく部室に入ってきた。
「な……!」
彼らの姿を見た光華さんが、思わずといった感じで声を漏らした。だってその制服は……。
「高等部生徒会制圧部隊だ! 隠れているなら出てこい、復讐部っ!」
学校の警察的組織である生徒会に、復讐部のことがばれた……!?




