表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
若葉~僕と君の2年間の記録~  作者: 佐竹健


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/39

Chapter 23 たぬき寝入り


 個人懇談があった翌週月曜の朝。僕は教室に入ろうとしていた。


 どういうわけか、この日はいつもより足取りが重い。


 入学してから3ヶ月以上は経過しているので、高校生活には慣れた。だから、高校生活の疲れではない。となると・・・・・・。


 おととい九条を怒らせたことか。


 確かに思いあたる節はある。だが、いつまでもくよくよしていては、ずっとこのままだ。


「落ち着け、落ち着け」


 何度も心の中でつぶやき、深呼吸をしたあと、僕は教室の敷居をまたいだ。


 いつもと変わらず騒がしい教室。


 僕は机のフックにカバンをかけ、九条を探す。


 いつものように九条は、机に伏して眠っていた。


 目の前に回り込み、


「九条、起きろ!」


 と言って僕は、大きく手を叩いた。


 だが、起き上がる素振りを見せないで、曲げていた腕をゆっくり伸ばしただけだった。いつもはこの音を聞くと、雷鳴を聞いた猫のように驚いた表情を見せるのに。


 でも、目の前に自分が怒らせた相手がいるんだ。言いたいことは、目の前にいるうちに言っておかないと。


「九条、この前はゴメン。あんなこと言っちゃって」


 僕は謝った。


 だが九条は、突っ伏したまま、何も返事をしない。


「なんで無視するんだよ。もう九条なんて知らない」


 そう言って僕は、自分の席へと戻った。九条のやつ、本当は起きて聞いているくせに。




 家へ帰った。自分の部屋に荷物を置いたあと、リビングへと向かった。エアコンの冷たく乾燥した風が心地いい。


 珍しく、リビングのソファーには父さんが座っている。平日の昼下がりは、まだ仕事で帰ってこないのに。


 僕がリビングに入ってきたことに気がついた父さんは、


「おう、誠。おかえり」


 と声をかけた。


「父さん仕事は?」


「今日は早上がりだったんだ。それで、母さんから買い物頼まれてるから、良かったら一緒に行かないか?」


「うん」


 僕は支度をし、父さんが出してくれた車に乗って、板橋にあるホームセンターへと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ