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バレーボールはやめたはずなのに、後輩女子はそれを許してくれない。  作者: 涼野 りょう
第3章 俺だって変わるんだ!!!
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シューズ選びは重要で!

 高松は意を決した様子でサーブトスを上げた。

 ボールには物凄いほどの回転がかかっており、それにスパイクを打ったらそれほどになるのかと、俺は思わずワクワクしてしまった。


「オラァッ!」


 高松は思い切りスパイクサーブを打った。

 そうしたらボールはこの試合一番の回転がかかって飛んでいった。

 そして俺の上を通り過ぎるときには物凄いほどの風切り音が聞こえた。


 そしてボールはネットに引っ掛かった。


「テメェ! ッざっけんじゃねえよ!」


 落ちるボールに一番近いのは雀宮先輩だった。

 高松のネットインは2年前に俺が狙った時とは違って成功させてみせた。

 もちろん雀宮先輩が前衛だとしても届くわけがない。フライングレシーブをしようとするが、咄嗟のことに反応できるわけがない。


 得点板には再び変化が訪れ、その結果24-8。ついに2-Cのセットポイントとなった。


「高松ナイス! 次は絶対に決めるぞ!」


 大川もご満悦なようだ。

 誰が見ても分かるくらいには喜んでいた。


 2階からの声に耳を傾けてみれば様々な声が聞こえてくる。


「高松が頭を使ったぞ!?」

「明日は槍でも降るんじゃねえか!?」


(……高松も意外と大変なのかもしれないな)


 今日1日、雑に扱ったこともある俺は何だか申し訳なくなり、これからは少しは優しくしてやろうと思った。




「高松、次もサービスエースで構わないからなー」

「お前プレッシャーになることはやめろって!」


 大川と高松はそう言葉を交わしてポジションに着く。

 それから高松がボールを受け取るとホイッスルが鳴った。


「1本決めたるわ!」


 大川には無理だと言っていたが、気持ちとしてはサービスエースを取りたいのだろう。

 高松はそう言ってスパイクサーブを打った。


「オッケー! 俺!」


 サーブは誰もいなかった場所に打ちこまれたが、弾道を予測した虎町先輩があらかじめ位置取りをしており、呆気なくレシーブされた。

 しかし、それに関しては俺たちも分かってはいた事なので、雀宮先輩が打ってくるであろうスパイクに警戒していた。


 そしてその予想は的中し、すぐさま渡辺先輩のセットアップからの雀宮先輩の強打が飛んできた。


「ヤバい取れない!」


 雀宮先輩は高松のいるライト側を狙った。しかし高松がそれに反応することは難しかったようだ。


「僕がとる!」


 そう言ってレシーブに割り込んだのは、今日1日一緒に戦った陸上部の生徒だった。

 その生徒が使ったのは手ではなく足だった。

 一瞬は「さすが陸上部!」と思ったが、陸上のどこに足技を使う要素があるのかと不思議にも思った。


「な、ナイスレシーブ!」


 大川はレシーブされたボールの元へ潜り込む。

 そしてそれは俺の方へとトスが上がった。

 もちろんその時には俺は助走を取れる分だけの距離をネットからとっていた。


「小鳥遊! 最後は頼んだ!」

「任せろ!!」


 大川は俺に少し高めのトスをあげた。


(これなら良いスパイクが打てそう!)


 俺は思わず顔を綻ばせて助走に入った。


 そして助走を取って跳躍した。

 コートを少し上から見ているといつもより視界が狭まっているように見えた。

 ネット越しに見えるのは、ボールに集中してレシーブをしようとする虎町先輩と渡辺先輩の顔だ。


 そして俺はスパイクを打とうと腕を振った。


 だけど俺の手にボールが当たることは無かった。

 そして、俺は呆気にとられる虎町先輩の顔を見ながら地面に崩れ落ちていってしまった。

 

「亜紀ちゃん、夢ちゃん! 後はよろしく! 私ちょっと用事ができたから!」


 俺が最後に聞いたのは、亜紀と夢に叫ぶかのような琴乃葉の声。そして2階を見上げると琴乃葉はどこかに走っていってしまった。


 そしてこのプレーが終わると虎町先輩が駆け寄ってきた。


「お前、大丈夫か!?」


 敵だというのに本気で心配してくれる虎町先輩。その顔は本当に真剣だった。


(なんでバレー部の人はこんなに優しいんだよ……)


 本当にこれだからバレーはやめられないんだと。そう思いながら俺は突然襲ってきた足の痛みに耐えていた。


タイトルの回収を次話でしようとするバカ(作者)の極み

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