06
プラズマの性能の高さは驚くべき物だ。ワープ1回で目的地にたどり着いた。
本来なら、ワープは200回は必要とされる距離だ。それも、ワープ時間が極端に短い。数秒で着くのは現在の科学ではありえない事だ。
現在はトラクタービームで、中立巨大衛星の航宙艦ドックに誘導されている途中だ。
「マリー、このワープ時間は凄いな」
「フルパワーなら、もっと短縮出来ます」
「武器はどうなのだ?」
「亜空間ビーム、重力破壊ビーム、超ハイドビーム、対生物ビーム、ソニックビームが使用出来ます」
聞いた事もないビームだ。
「亜空間ビームとは何だ?」
「亜空間を利用して転移するビームの事です。300億光年先の星を破壊出来ます」
見て見ない事には分からないが、プラズマの性能は宇宙1ではないかと思う。
そうこうしているうちに、航宙艦ドックに降り立った。
荒くれ者の宙域だ、フルパワースーツを装備して行くか。
プラズマから、マリーと一緒に降り、ロビーを歩く。先には受付があった。
小声で、
「マリー、僕、お金持っていないんだ」
「それでしたら、貸しときますね」
貸してくれるんかい!!
受付はマリーに任せて、周りを見ると。荒くれ者達がこちらを見ながらニヤニヤしている。
マリー狙いか? 確かにマリーは絶世の美女だ。だが、ホログラムなんだよな~。そして、マリーが戻って来た。
「どうかしましたか? マスター」
「いや、何でもない」
通路を通り、泊まる部屋に向かう。
途中、先程の荒くれ者の5人が待ち伏せしていた。
「おい、そんなちびっこ相手にしないでこちらに来いよ」
マリーの肩を掴もうとしたが、スカッと、手がすり抜けた。
「これは、ホログラムなんです」
「はぁ、嘗めた真似しやがって、おちょくっているのか?」
僕を殴って来たが、自分の手の方が血だらけになり、
「もういい、行くぞ」
退散していった。
僕とマリーは何事もなかったように、部屋に入り、今後の計画を立てた。
まず、部屋に入ると案内の冊子が置いてあり、中を見るとオークションがある事が分かった。売った人物は分からないようになっており、安心だと言う。
麻薬をオークションに掛けるのはどうかと言う事になった。
僕は麻薬を持ってオークション会場に向かう。マリーはカジノに行くと言って別れた。
麻薬はフルパワースーツでは6箱しか持てなく、後の4箱は今後のオークションに掛ける事にした。
結果、麻薬は金貨300枚にしかならなかった。どこで足がつくか分からない、麻薬は人気がなく。僕はしょうがないと思った。次の日、4箱を出品したが金貨100枚、昨日と合わせて金貨400枚になった。この金額はミスリルのフル装備を揃えれば終わりの金額で、ちょっと残だ。
マリーの方はディーラーの癖、心理と確立で、1財産を築いたようだ。その後、マリーはカジノに入り浸り、僕は聞き込み調査をする感じになった。
ここに来て1週間経ったが、僕の方はさっぱりだった。マリーの方は白大金貨1000枚はないと持てないブラックカードを持つに至ったようだ。
まぁ、それはいいとして、今後、どうするかを決めないといけない。
部屋で、たんたんと話す、マリー。
「宇宙冒険者になってはいかがでしょうか? マスター」
冒険者とは、魔物と戦うマッチョのおじさんのイメージしかない。
「宇宙冒険者は情報を持っているのか?」
「宇宙冒険者は、冒険しながら、宇宙中を飛び回ります。ですので情報はいっぱい持っていると思います」
宇宙冒険者の試験は難しいと聞いた事がある。
星の冒険者、銀河の銀河冒険者等あるが、冒険者にとって宇宙冒険者になるのは憧れであり、なるには相当の金額と難関の試験があるらしい。
「まず、試験は実践試験と筆記試験がありますが、実践試験の方は1光年先の星を1分間以内で破壊すると言うのは変わらないです。筆記試験はマスターにスキャン用のメガネを掛けて貰い、プラズマで計算し、思念で答えを教える方式にしたいと思います」
「合格しても、宇宙冒険者の依頼は難しいのではないか?」
「簡単な依頼だけを受けます。情報収集が目的なので」
「そこはマリーに任せるよ」
早速、宇宙冒険者ギルドに向かう事にした。