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宇宙への憧れを持った少年  作者: もろこし
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04


 フルパワースーツは、軍事学校にも4世代前の物があり、扱いには慣れている。物理攻撃に強く、生徒達が戦闘訓練で怪我がないように設計されている。短距離なら飛ぶ事も出来、宇宙空間でも戦闘可能だ。学校では1000トンのダメージでも平気だった。最新のフルパワースーツはどれ位迄、耐えきれるのか分からないが、1国に匹敵する値段だと聞いた事がある。


 カード銃は生物を炭素に分解するカード型の銃だ。カード銃自体も炭素をエネルギーとして活用できる為、実質、無限に銃を発射出来る。だが、致死量のフルパワーでは1000弾が限度だと思える。


 素粒子ライフルは素粒子に分解する、対航宙艦用の武器で、最大火力を出せば、町を1つ消滅出来る代物だ。充電に時間は掛かるが、高エネルギービームだ。


 高濃度エネルギーチューブは高濃度のエネルギー食品で、1口飲めば1日持つ事が出来る。


 貨物置場の扉を恐る恐る開けてみる。


 恐竜が待機しているかのように、押し寄せて来た。両手のカード銃を何発も発射。炭素になり、砂のように消滅していく、何発発射しただろうか? 恐竜はいっこうに減る気配がない。


 こ、これは一旦、計画を練り直した方が良さそうだぞ。

 一旦、貨物置場の扉ボタンを押し、扉を閉める。

 貨物置場の中迄、押し寄せて来た恐竜の亡骸の炭素の上にカード銃を置き、エネルギーを補充させる。補充時間は5分だ。


 カード銃が効く事が分かった事が幸いだ。密輸の箱の中からカード銃を全て抜き取り、胸ポケットに30枚を入れた。


 カード銃のエネルギーが残り少なくなった時、炭素の上に乗せ新たなカード銃を胸ポケットから出し攻撃する。それを繰り返すしかないだろう。それでも足りなくなった場合、父から貰ったビームサーベルで対抗しよう。


 再戦する前に、少し寝る事にした。


 翌朝、密輸の箱に何か他に良い物がないか、探しているところだ。スタングレネード等の手榴弾が見つかり携帯する。


 貨物置場の扉を再度、恐る恐る開けてみる。


 が、1匹もいなかった。諦めたようだ。


 コクピットから、外を見ても生物らしき物はいない。


 コクピットの破損個所に簡易な鉄板を張り、救難信号の修理を行う。


 救難信号の修理は簡単だった。船が破損しても大丈夫なように、頑丈な仕切りで救難信号は守られていた。後はエネルギーの問題だ。簡易なエネルギーパックを見つけて。救難信号に装着し、救難信号を出した。後は待つだけだが、救難船が来た時の場合、そして、もしかしてこの星に知的生物がいる事を考えて、探査レーダーも直しておく。


 知的生物がいた場合、ここで生活出来るかもしれない。高濃度エネルギーチューブはそのうち無くなる事は想像出来るからだ。


 これで、今の出来る事は全部やったはずだ。


 だが、救難船が来るのは半年後、1年後、一生かかる可能性がある。

 救難信号は、偶然を待たないといけないのだ。


 探査レーダーは直したが、出力が非常に弱く、半径10キロがやっとだった。

 半径10キロで分かった事は、あの小型恐竜の住処が分かった事くらいだ。


 この星を探索するに当たり、あの小型恐竜は邪魔だ。殲滅する必要がある。


 恐竜の住処を目指し、森の中に入った。


 フルパワースーツの特徴として、寒さや、熱さは感じない。耳と鼻も外部とは切り離され、目だけの情報で戦うのだ。目の前にはホログラムで赤外線モード、紫外線モード、熱感知モードに切り替えられ、情報が表示される。今は熱感知モードにし、岩陰に生物がいても分かるようにしている。


 素粒子ライフルが充填完了である事を確認し、前に前進する。


 小型恐竜の住処は洞窟らしい。頻繁に洞窟からの出入りが遠目に確認出来た。


 スタングレネードを1つ洞窟に投げ入れた。閃光と共に爆発音が鳴り響き、そして、手榴弾を投げ入れ、轟音が鳴った。後は様子を見た。


 洞窟から出て来ないの事を確認し、素粒子ライフルで洞窟上部に最小メモリで撃ち、洞窟の穴を塞ぎその場を去った。


 航宙貨物船に戻り、探査レーダーを作成する事にした。航宙貨物船にある部品だけで探査レーダーを作成するのだ。


 探査レーダーとフルパワースーツを接続出来れば、この星のあらゆる場所が画面に表示されるはずだ。


 3日をかけ、探査レーダーを作成したが、半径1万キロを網羅するのがやっとだった。


 探査レーダーで、この星をグルっと探索した結果、人工の塔らしき建造物が1つ見つかった。これは、見に行かなければならないだろう。


 今日は貨物置場でゆっくり眠る事にした。


 翌日、人工の建造物に向かって出発した。距離からして800キロ先にある。


 2時間後、目的の人工の建造物に辿り着いた。高さは10キロと50センチ。横幅は1キロと50センチの黒い塔と言う感じだ。これに意味があるのかは分からない。


 中に入る事は出来ないか? 周りを回るってみる。入口は見つからないが、銃の形をした凹みを見つけた。


 んっ! この形は記憶にあるぞ! 腰にある、父の銃を凹みにセットした。ピッタリだ。


 何もない箇所に扉が現れ、轟音と共に扉が左右にスライドしながら開く。


 入っていいのか、躊躇しながら中に入ってみる。目の前は螺旋階段になっていてどこまでも上の方まで続いていた。


 中に入ると、扉は左右にスライドしながら閉じ、父の銃がこちらの凹みに現れた。

 父の銃を凹みから取り出し、ジェットブースターで階段を上る。


 行き止まりに辿り着いた。今度は扉に剣の凹みだ。当たり前なごとく父の剣を凹みにセットした。


 先程と同様に扉がスライドし中に入ると、航宙艦ドックがあり、小型航宙艦が1隻そこにあった。扉が閉まり父の剣を凹みから取り出し、小型航宙艦に近寄る。


 小型航宙艦は丸みを帯びたシルエットだ。機首部分は尖がっており、翼はデルタ翼で収納可能なようだ。全長150メートル、横幅は20メートルだとホログラムに表示された。


 どうやって中に入れるのか、全く分からない。


 周りを見渡せば、円柱の丸い台の上にカプセルに入ったリングを見つけた。台のところには銃の凹みがあり、銃をセットした。カプセルが上がり中のリングを取出しフルパワースーツを解除、指に嵌めた。


 小型航宙艦の中に入るにはこのリングが、鍵になるだろう事は分かったが、どうすればいいのか分からない。リングを小型航宙艦に向けたり、リングを当てたりしたが、無反応だ。


 う~ん。部屋のどこかに、このリングに反応する箇所があるのか?


 部屋を1周しながら、リングに反応する箇所を見つけてみる。


 ある壁が突然開いて、何かが襲い掛かって来た。


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