03
航宙貨物船の攻撃に航宙艦からも応戦して来た。
げっ! 攻撃を解除する方法が分からない!!! 逃げる……。あれ……操縦が出来ない!!
航宙貨物船の電源をOFFにも出来ないぞ。防御シールドが限界だ! もうお手上げだ……。このまま死ぬのか。そうだ!!! 航宙貨物船をショートさせる!! 主電源の裏側の鉄板を蹴破り、中の導線を切る。そして、擦り合わせた
パチパチと言う音が鳴り響き、ドヒューンと言う音と共に航宙貨物船の電源が切れ、真っ暗になった。そして攻撃も止まった。
しかし、航宙艦からの攻撃は止まらない。
逃げるしかない。
航宙貨物船の電源をONにして、強制ワープ。
◇
航宙貨物船は大破していて、いつ、爆発しても可笑しくない状態だ。
コントロール不能のまま、良く分からない星の重力に捕まり、落下していく。
直角に追突すると、一巻の終わりだ。操縦ハンドルを握りしめ、なるべく水平に不時着する事に全神経を集中した。
幸い星を見ると、ジャングルみたいだ。木々がクッションになってくれる事を祈りながら。
水平に保ったまま、ジャングルに突っ込んだ。物凄い音と衝撃だ。ガンッ! ガンッ! ガタッ!ガタッガガガーーーーガガガーーー!!! 僕は意識を失った。
どれくらい時間が経ったのだろう? どのくらい寝ていたのだろう。ふと目を覚ました。外は夜らしく、真っ暗だった。
「痛っ! 頭が痛い」
触ると、手に血がべっとり付いていて、どこかにぶつけた事が分かる。それで気を失ったのだろう。急いで、体中を触る。無事なようだ。足も手もある。ほっと胸を撫でおろすが、ここで生きていけるのか不安になってくる。
どこからか、動物の声が聞こえて来ることから、生き物はいるようだ。探索は必要だろう。もう1日寝てから考えるか……。
次の日、起きて見ると夜とは違い、航宙貨物船の大破具合が良く分かった。
宇宙に飛ばすのは絶望的だろう。目の前にある、強化ガラスも破られていた。救難信号を出して、救助して貰うしかない、と思いながら強化ガラスからヒョイと顔を出して外を見ると、見た事もない、生物がいた。
恐竜の子供か? 目が合うと、一斉に襲い掛かって来た。
「うわ~っ!!」
奥に走り出し、貨物置場に入り、扉を閉めた。
「は~っ! は~っ!」
貨物置場の扉は厳重でそうそうに開ける事は出来ない。このまま、ここにいるか? だけど……、コックピットにある救難信号を直さないといけない。救難信号を直すには、あの恐竜と戦わないといけない。この航宙貨物船に武器はあるのか?
目の前にある、荷物に武器があるようにと祈りながら、箱を開ける。
「んっ! 白い粉がビニールに入っている……。麻薬か!」
そうか!! 僕は麻薬密売に利用されていたんだっ!! そしてあの通行手形は偽装されていて、それがバレて攻撃されたんだ! どんどんと自分の置かれている状況が分かって来た。暫く、放心していたが、気を取り直す。
どんどんと箱を開けていくぞ。武器はないか? ……。……あった!!
「すげ~っ!!」
最新の武器だ。それも大量に。これは、星間戦争用の武器らしい。
あの恐竜を蹴散らす為に装備をする。
最新のフルパワースーツを装着して。銃はカード銃を2つ持ち、素粒子ライフルを肩に背負い、合金ナイフを足のポケットに、高濃度エネルギーチューブを腰に巻く。
さて、恐竜を始末するか。