2015年5月26日
対面式、部活紹介が行われた翌日、2015年4月9日からは学習オリエンテーションや体力測定、部活動の体験期間などの行事があり、当時の日記にはそれらへの感想がとりとめもなく綴られていた。
見返して懐かしいと思う出来事もあったが、ここでは割愛する。
この後、彼女と出会うまでちょっと期間が飛ぶと思っていたら、予想外の所で彼女の名前を見つけた。
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2015年5月26日 火曜日
暑い。5月で30℃はありえない。
テスト用紙が腕の汗でふやけてたし。
今日だけは水泳部が良かった。
先週の木曜からの定期考査も終わったし、しばらくはノンビリしたいなぁ~
以上、2015年5月26日の日記より抜擢
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入学式から一月半位経った2015年5月21日(木)から26日(火)までの4日間、ボク達は高校生となって初めてのテスト、第1定期考査をむかえていた。
途中にゴールデンウィークなんかもあり、入学したと思ったら、あっという間にテストだった記憶がある。
正直、テスト内容だとかはこれっぽっちも覚えていないが、高校生活で初めてのテストということもあってか、結構真面目に取り組んでた形跡が日記から読み取れる。
まあ、U太に軟式野球部を見学してみる、なんて言ったけど、結局、部活には入らなかったから何だかんだ時間はあったのだ。
特にやりたい部活もなかったし、U太からの勧誘も無かったから、無理に入らなくてもって思っていた。
因みに、U太の言う良い部活は、天文部だった。
これは予想の範囲内というか、思っていたよりもずっとマトモだった。
まあ、中学校の時のUFO部から比べれば恐らく全てがマシだろう。
UFO部は、宇宙の謎を解き明かし、宇宙人と出会う為の部活でU太が創部させた部活だ。
宇宙オタクというか、宇宙人オタクというべきか。兎に角、U太は宇宙に対する変人だった。
U太の父親がロケット開発の仕事をしているらしく、物心ついたときから本物のロケットなんかが身近にあり、自然とのめり込んで行ったらしい。
そんなU太の夢がUFOを造ることと、宇宙人を見つけること。
将来、なんとしてもあの円盤形のUFOを造って空を飛び、仲間と思って近寄ってきた宇宙人を見つけるという、壮大な夢を追いかけている。
はっきり言って、何言ってんの? ってツッコミたくなるような夢だけど、心の何処かで宇宙人は無理でも、UFO位なら造るんじゃないか? って位、U太は頭が良い。
同じ高校だけど、理数系の教科では正直勝てる気がしなかった。
定期考査で数学の問題を解いているとき、多分U太には簡単なんだろうなぁ~って、思いながらペンを走らせていたのが記憶にある。
実際に、この時の結果だってU太には勝てなかった。
300人ちょっといる同級生の中で、ボクは62位。
悪くもないけど、良くもない順位だった。
基本的に自分の順位は自分しか分からないけど、例外的にトップ10だけは掲示される。
その中にU太の名前があって、ボクは一方的にU太の順位を知った。
ボクも載ってみたいって思ったのかは忘れたけど、定期考査の結果が貼り出された日の日記には、その10人の順位と名前、総合点が書かれていたのだ。
そして、その中の最後に、彼女の名前があった。
こうやって、振り返ってみるまで全く意識に無かったけど、この時すでに、彼女はボクの日記に登場していた。
U太以外の顔すら知らない、ただの頭の良い人として。