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2017年10月27日

2017年10月27日 金曜日 晴れ


意外と面白いんじゃないかと、自画自賛。


取りあえずは内緒で、もし人気が出たら彼女を驚かせようと思う。


今回は名前バレる心配ないし、見直して明日あげてみよう。


以上、2017年10月27日の日記より



◇◆◇◆◇◆◇◆


この日のことは結構鮮明に覚えている。


午前中に学校で受けさせられた模試の返却があり、ボクはかなり良い成績をとることが出来た。


昼休みに成績表を見た彼女は『えぇぇ~!』と大きな声をあげて、周りから注目され顔を真っ赤にしているのがボクの記憶にある。


彼女も驚く程の結果に気を良くしたボクは、更に勉強して彼女を驚かせよう。


と、模範的な受験生の思考にはならず、勉強じゃなくて、もっと別の何かで彼女を驚かせようと、かなりひねくれた考えに至った。


どうせなら彼女の好きなもので。驚かせて、そして喜んでもらおう。


『何か、何かボクに出来る彼女へのサプライズはないか?』


午後の授業はずっとこの事ばかり考えていた。


そしてたどり着いた答えがボクも小説を書くということ。


しかも彼女から教えてもらった、この小説家になろうに彼女と同じように投稿しようという結論に至った。


文化祭であれほど後悔したのに、この時のボクは彼女に誉められた事で我を忘れていたのだろう。


ハッキリと愚考だと今なら言える。


ただ、有頂天だった当時のボクは、投稿した作品が人気が出たらどうしよう。だとか、彼女の作品よりランキング上になったら不味いな。などの妄想で頭が一杯だった。


まだ何も書いていないのに。


いや、正確には何を書くのかさえ決まっていないのに。


取りあえずサイトに登録をして、携帯電話で行き当たりばったりな作品を綴った。


慣れないサイトに携帯電話で小説を書くのは随分とやりにくいと思ったことと、ルビをふる機能に少しだけ感動して無駄に沢山使ったことを良く覚えている。


何を書くかさえ決めずに始めたボクの小説は、何故か舞台が冒険者組合(ギルド)の受付嬢の話にたどり着いた。


理由はボクにも分からない。


別に書きたかった話があったわけでも、受付嬢フェチであったわけでもないのに、舞台だけが一人歩きして決まった。


登場人物の名前も大分悩みながら一生懸命考えた記憶がある。


そして、たしか一話目を書き上げるのに四時間近くかかったはずだ。


たったの2000文字程度しかないのに。


ただ、自分的にはかなり満足した出来だった。


この日に投稿しようと思ったのだが、ボクの記憶では夜の3時を回っていて、やむを得なく寝た記憶がある。


そして、次の日の2017年10月28日にボクは初めて自分の書いた作品をこのサイトにアップした。


作品の名前は(仮名)無題だったはずだ。


一話目を上げる時に初めてタイトルをどうしようかと悩んで、適当につけて後で替えれば良いと、ボクの悪い癖である先送りが出て、いかにも痛い奴なタイトルで作品を送り出した。


ボクの記憶では、作品をあげてから一時間ばかり読んでもらった人の人数の推移を携帯にかじりついて見ていた。


初めの一時間で確か50人弱だったはずだ。


他と比べれば遥かに少ないと思うけど、この時のボクには50人にも読んでもらえたとが自分で考えていた以上に嬉しくて、すぐに二話目以降の執筆に取り組んだのだった。


この日から一週間、ボクは受験生という自分の立場を忘れて……


いや、それどころか彼女を驚かせようとという、このサイトに小説をアップした本来の目的さえ忘れて、携帯電話で小説を書くことに打ち込んだのだった。




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