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cruise amanomiya  作者: たけし彪馬
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旅の挫折

デクはよく働いた。

商人に嫌われないように口数少はなかった。

おどおどした。

頼まれてもいないのに荷台の床を拭いた。

媚び諂うデクの行動は、

荷台の他の小さな住人たちからひんしゅくを買った。泥の坊やは皮肉たっぷりに唾を吐き散らしたし、

鳥の糞も這いつくばって辺りに足跡を残した。

デクの思惑から来る行動は、

商人も観察しており、

彼はまた、デクの行動を好まなかった。


なぜならデクが掃除するほどに

荷台の床が更に汚れるからだった。


商人はデクの行動を止めるようポカリと

百会を狙って拳を下ろす。

すると商人の指輪の石が、

正確に、百会に命中した。

デクは胸のあたりまで亀裂が入った。

意識が二つに割れてしまい。

双方に顔が宿った。

デクは弱って床に倒れこむ。

それを愉快に眺める荷台の他の小さな住人たち。

泥の坊やは愉快さで気が高揚して、

デクの上に乗って

ぴょんぴょん跳ねた。

鳥の糞も乗ったので

デクの体は水分を含んだ。

デクの体はやや浮腫み、

動かないので水は抜けず、

デクの体の中で腐り始めた。

デクの体はやがて色が変わって

新しい小さな命たちで騒がしくなった。

苔やカビがデクの体を媒体にした。

これらはすぐに成長した。臭を放った。


商人はそれに気がつくと、

鼻をつまんだ。

「これはたまらん。

だれかこいつを荷台から引きずり下ろしせ」

商人の命令で、

彼らの木偶の坊が集まった。

デクを引きずり下ろした。

荷台から押し落ちたデク。

大地に落ちた衝撃で、

デクの体は真っ二つ、

もしくはもっとそれ以上に砕けてしまった。


腰巾着は泥の坊やが漁っていた。

商人は無念が残ると厄介だからと

油をかけて火を放った。

炎に包まれたデクと小さなカビや苔たちは、

断末魔の叫びをあげて灰になった。


荷台はそれを見ずに先に進んだ。

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