旅の始まり
デクはアマノミヤの君を探す旅に出た。
デクはアマノミヤの辺りに住んでいた。
デクの主人だった。
デクは気が弱くて神経質な君を崇拝していた。
デクはアマノミヤの君の世話を長くしていた。
ある朝、目覚めの世話をしに訪れたデク。
アマノミヤの君が消えた事に気がつく。
しばらくの間、アマノミヤの君の帰りを待つ。
がしかし、アマノミヤの君は現れない。
主人の消えた郷は、あっという間に蔦が茂り、セイタカアワダチソウが背を伸ばした。アマノミヤはすっかり荒廃した。
デクは追われるように飛び出した。
トボトボと獣道を歩く。
デクはボンヤリ空を仰いだ。
デクはこのまま、もとに戻れば、そのうち
蔦が手足に絡まり自然に還ることになる、それは主人の願いかのようにデクは錯覚した。
「ここには失われていく望みしかないのかしら」
遠くから商人が荷車に乗ってやってきた。目利きな商人はデクが黄昏ているのをみて
「しめしめこれは高く売れそうな木偶の坊だ。主人を亡くしてるのなら、そのうち魂が抜けるぞ」
そう言って荷台を漁り始めた。
「こんにちは。そんな悲しい顔をしてどうしたんだい?」優しい声で商人がデクに話しかけた。
「こんにちは。わたしは故郷を失ってしまったんです」
「主人はどこ行ったね」
「それがわかりません」
「ほお、そいつは可哀想だ。どれわたしがその主人を探すのを手伝ってやろう。
わたしは六つの海を、超える力を持っている。私の元で働きなさい、お前は必ず探す者を見つけるだろうよ」
デクは
「この人は、きっとこわい人なんだ
わたしは木屑として燃やされるか、
奴隷のように働かされるかのどちらかなんだ」
「でも
でも、アマノミヤはもう戻らないのかもしれない、わたしは歩かなくてはいけない」そう思った。




